日本唯一 野生馬のすみかへ ー都井岬【九州うま旅(6)宮崎編〈上〉】
宮崎空港から日南海岸沿いに車で約1時間半。宮崎県の南端に位置する都井岬(串間市)は、国内唯一の野生馬「御崎馬」が生息する地だ。
御崎馬は体高約130センチ、体重約300キロとサラブレッドより一回りから二回り小さいサイズの日本在来馬の一種で、国の天然記念物に指定されている。都井岬の約550ヘクタールはすべて馬のすみかになっており、競走馬とは異なり自然の中で生きる馬たちを間近に体感できる。
御崎馬の生息エリアに入る前に、「駒止の門」で保護協力金(自動車400円、バイク100円)を支払い、見どころや注意事項などが書かれた「パスポート」を受け取る。道路をそのまま行くと、間もなく見えてくるのが小松ケ丘。多くの馬が集い夕日も美しい絶景スポットで、ここで早速、というより駐車場に着くまでの道路沿いで(しばしば道路上で)御崎馬に出会うことも多いだろう。 ※馬に関する注意事項 危険ですので馬には触らず、できれば5メートルの距離を取ってください。蹴られたりかまれたりする恐れがあります。特に後ろからは絶対近づかないでください。餌をやることもおやめください。
御崎馬に長旅の疲れをいったん癒やされた後に向かいたいのは、2020年4月にオープンした都井岬観光交流館 PAKALAPAKA(パカラパカ)。海に面した一面ガラス張りの館内では、屋内型の休憩スペース、野生馬の生態が見られるミニシアターや、串間の観光スポットを疑似体験できるVR(バーチャルリアリティー)コーナーが設置されているほか、都井岬などの観光情報が集まっている。24時間利用可能なバリアフリートイレや授乳室も完備している。
一年通してさまざまな草花が咲き、いつ訪れてもその時々の四季を感じることができる都井岬だが、特に見逃せないのが若駒の季節。4~6月を中心とした出産シーズンには生まれたばかりの子馬に出会えるかもしれない。 都井岬内は自由に散策できるが、もっと御崎馬のいるところを案内してほしい、詳しい説明を聞きたいという人は「野生馬ガイド」をお願いするのもいい。パカラパカに常駐しているガイドさんもいるが、事前予約がおすすめ。