現行NISAはあと残り2か月を切る 「一般NISA」で気を付けたいこと
11月に入り、今年もあと残り2か月を切りました。 例年であれば、一般NISAの年間の非課税投資枠が余っている場合、いつのタイミングでこの非課税投資枠を使い切ろうかと考える時期でもあります。 しかし、このNISA制度はご存じの通り、来年から新NISA制度になります。 それにより、現行の一般NISAのロールオーバー制度にも変更点があり、今年の年間の非課税投資枠が余っている場合も気を付けておきたいことがあります。
ロールオーバーとは?
現行の一般NISA制度では、譲渡益・配当金などの収益に対する非課税期間は5年間となっています。 この5年間の非課税期間が満了した後も、翌年に一般NISAの非課税投資枠に移すことができ、さらに5年間は非課税期間として保有し続けることができます。 このことをロールオーバーと言います。 このロールオーバーができる上限額はなく、時価が非課税投資枠を超えている場合でも、その全額を翌年の非課税投資枠に移すことができます。 なお、つみたてNISAにはこのロールオーバーの制度はありません。
現行NISAから新NISAへのロールオーバーは不可
2024年からスタートする新NISAと現行NISAは別制度となっているため、購入した投資商品(株式や株式投資信託など)もそれぞれ別の口座で管理されることになります。 現行の一般NISAで保有している投資商品が5年間の非課税期間が満了した場合でも新NISA制度にロールオーバーすることはできず、売却するかもしくは自動的に課税口座(特定口座・一般口座)へと払い出されます。 課税口座に払い出された後は譲渡益や配当金などに対して20.315%(現時点での税率)の所得税・住民税が課税されることになります。
ロールオーバー不可での注意点は?
自動的に課税口座(特定口座・一般口座)へと払い出される時の取得価格ですが、払い出された時点での時価で新たに購入したものとしてみなされます。 したがって、もし下記の図表のような状況になった場合には、NISAの最大のメリットである譲渡益に対する非課税の恩恵を受けることができないどころか、当初の購入価格よりも売却価格が低い場合でも売却益が生じたとして、課税関係が発生します。