【巨人】「簡単なことや。送球もピッチャーも同じ」野手にも好影響をもたらす名伯楽の思考
巨人の阿部慎之助監督が5日、浅野翔吾外野手に青空送球レッスンを開講した。G球場の秋季練習でスローイングの正確性アップに向けてサイドスロー、アンダースローなどさまざまな練習法を伝授。久保巡回投手コーチの投手目線の意見も導入し、浅野は7種類の変幻自在の投げ方を試しながら感覚を研ぎ澄ませた。 久保コーチと言えば、菅野ら多くの投手の活躍を支えた名伯楽。練習後、指揮官との会話の内容については「それは教えられんわ」と豪快に笑いつつ、ヒントを授けてくれた。 「簡単なことや。送球もピッチャーも同じ。できるだけそういうものは若いうちに修正した方がいいよ、と。送球って、投げることに関しては(投手と)同じ原理なんで。野手はそこを短縮型でやる。強く、早く正確に投げるのは野手も同じ。それに近い話です」 実際に、今季は捕手に対してスローイング指導を行ったこともあるという。浅野が行っていたサイドスロー練習には、手首でコントロールを効かせようとし過ぎる悪癖を矯正する狙いがあると明かしてくれた。 「(浅野は)手首が邪魔をしてんの。手首で投げようと、使おうとし過ぎている。手首なんて使う必要はない。ボールの重さで手首は使えるようになる。(サイドスローだと)掌底(手のひらの手首よりの硬い部分)が出やすい。腕を振ったらボールの重さで掌底が出て、手首が(自然と)利く。ピッチャーも一緒だけど、手先で投げる方法がわかってないと手先では投げれない」 これまで、長年にわたって選手の状態を冷静に観察し、的確な助言で多くの投手を支えてきた。原理原則に基づく指導は、野手に対しても効果的だとみている。 「これは本当に言っているけど、原理が必要。(野球の動きは)理屈の上に成り立ってるから。野球を覚えたら、こうしてプロ野球に入ってくるような人たちなんでたぶん理解できると思うんです。いい人はより良くなる。ある程度の人たちは、ある程度は必ずできるようになる」 リーグ連覇を目指すチームは、名伯楽の知識もフル活用しながら成長の秋を過ごしている。(ファーム担当・小島 和之)
報知新聞社