木更津市と川崎市を結ぶ東京湾アクアライン＝2月、木更津市

　東京湾アクアラインで試験導入している変動料金制について、千葉県は3日、来年4月1日から開始予定の新たな料金体系を発表した。土日祝日の上り線（川崎方向）では、600～1200円の現行料金から変更し、400～1600円の変動制とする。現在は800円の均一料金の下り線（木更津方向）でも400～千円の料金体系が導入される。社会実験は2026年3月末まで延長する。 　県道路計画課によると、国土交通省や県、東日本高速道路などで構成する「東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の第4回会合で方針が了承された。関係者での調整を経て近く正式発表する。

千葉県が新たに提案した料金体系

　県が新たに提案した料金体系では、土日祝日の上り線で、午前0～4時を400円（現在800円）、午前4時～午後1時を800円（同800円）、午後1～7時を1600円（同1200円）、午後7～8時を800円（同1200円）、午後8時～午前0時を400円（同600円）とする。 　午後1～7時は依然として交通が集中していることを踏まえ、値上げした一方、交通分散のため、夜間から早朝を値下げとした。また、料金が急激に変わる午後7～8時では緩衝となる料金帯を設定した。 　下り線では、全時間帯で800円だった料金を午前0～4時は400円、午前4～5時は800円、午前5～7時は千円、午前7時～午前0時は800円の変動制とする。 　アクアラインの変動料金制は渋滞緩和を目的に、自動料金収受システム（ETC）搭載車を対象に昨年7月に始まった。導入から1年がたち、県が8月に公表した分析結果では値上げ時間帯で導入前より渋滞による損失時間が減少した一方、当初と比べ、交通分散の効果が鈍化していることや下り線でも交通が集中する時間があることが明らかになっていた。 　県は今後、社会実験の定量的な評価のため、来県者の滞在時間や移動距離も分析する。また、ウェブ広告や県内のゴルフ場などへのポスター掲示を強化し、周知を図る。担当者は「今回は料金差を大きくしたのがポイントだ。4月の実施に向けて広報に取り組む」と話した。