米最高裁のトランプ氏免責判決、リベラル派判事が反対意見「無法地帯を作った」(海外)
アメリカの最高裁判所は、大統領はすべての公務における行為について刑事訴追を免れるとの判決を下した。 ソトマイヨール判事は反対意見の中で、この判決は適用範囲が広すぎると述べた。 「海軍特殊部隊シールズチーム6に政敵の暗殺を命じるのも免責だ」と彼女は記した。 アメリカ連邦最高裁の大統領免責特権に関する判決に対して、ソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)判事は反対意見で、最高裁で保守派が多数を占めることで大統領が刑事訴追を恐れることなく政敵を暗殺することが可能になっていると指摘した。 6月28日、6対3で下されたこの判決は、イデオロギーの違いによって意見が分かれたが、連邦最高裁は大統領が憲法上の権限の範囲内で行った行為については「刑事訴追からの絶対的免責」を、その他の公式行為については少なくとも「推定的免責」を享受すると判断した。 ソトマイヨール判事は、リベラル派のエレナ・ケイガン(Elena Kagan)判事およびケタンジ・ブラウン・ジャクソン(Ketanji Brown Jackson)判事とともに、今回の判決は「大統領の周りに無法地帯を作り出す」ものだと主張した。 「多数派の論理に従えば、彼が公的な権限を何らかの形で行使する場合、刑事訴追から免れることになる」とソトマイヨールは記した。 「海軍特殊部隊シールチーム6に政敵の暗殺を命じることも免責。権力を維持するために軍事クーデターを画策することも免責。恩赦と引き換えに賄賂を受け取ることも免責。免責、免責、免責だ」 「たとえこのような悪夢のようなシナリオが実現しないとしても、もちろん私は決して実現しないことを祈るが、被害はすでに出始めている」と彼女は付け加えた。 「大統領と彼が仕える人々との関係は、取り返しのつかないほど変化した。公式権限の行使において、大統領はもはや法律の上の王なのだ」 この決定は、2020年の大統領選挙の結果を覆そうとしたことに関連して連邦政府に起訴されているドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領からの訴訟の結果として下された。トランプ氏の弁護士は、これらの行為は職務の範囲内であったため、トランプ氏は刑事訴追を免れるべきだと主張していた。 この判決はトランプ氏にとって勝利を意味する。保守派が多数を占めるアメリカ連邦最高裁は、トランプ氏が司法省を使って特定の州の選挙人を親トランプ派の選挙人に差し替えるよう州に圧力をかけたことなど、トランプ氏の行動の一部は「絶対に起訴されない」と認定した。
Bryan Metzger,Natalie Musumeci