夏の寝床は「ダニ天国」…でも”いきなり掃除機”は間違い!寝具のプロが教える快眠のための徹底駆除3ステップ
掃除機は「除去」で真価を発揮する
退治できるとホッとする人もいるだろうが、安心するのはまだ早い。ダニの死骸、糞、抜け殻などのアレルゲンは寝具に残ったままなので、除去していかなければならない。 「ダニの死骸や糞は(時間が経つと)乾燥していき、潰れると細かい微粒子になります。退治した後は、アレルゲンの除去を忘れずにやってください」 ここで真価を発揮するのが掃除機だ。加賀さんによると、ダニ専用クリーナーといった商品も販売されているが、通常の掃除機で十分だという。アレルゲンやダニのエサとなる人間の皮膚やフケなどを残さないよう、頭部の周りを優先的に丁寧にかけていこう。ベッドとの隙間のほこりっぽい場所にもダニが多く潜んでいるので念入りに掃除する必要がある。
“防ダニ”&“除湿”グッズで再発予防
ダニを「退治」「除去」したら、最後は「予防」。寝具に湿気をためないこと、清潔な状態に保つことがポイントだ。加賀さんがお勧めするのは、布団カバーやシーツを“防ダニ”効果があるものに替える方法。防水加工のほか、薬剤加工を施して近寄らせなくするものや、繊維を細かく織り上げて侵入を防ぐものがあるという。 また、除湿効果がある「敷きパッド」を敷き布団やマットレスに付けると、夏場の寝汗の吸収・発散を助けてくれるので、ダニの繁殖要因のひとつ「湿気」を抑えることができる。外して簡単に水洗いできるので、ダニのエサやアレルゲンも除去しやすく衛生的だ。 「コインランドリーに寝具を持って行ったり、布団乾燥機や掃除機をかけたりするのが面倒くさいと感じることもあるでしょう。そんな人には『ダニ取りシート』がお勧めです」 一斉退治はできないが、布団の中に置いておくとじわじわ減らせるそうだ。ダニの捕獲状況も分かりやすいので、かゆみの原因が本当にダニなのかも確認できるという。 多少ニオイがするものの、ダニの誘引剤が天然由来成分で安心して使える商品も出ている。
起きてすぐのベッドメイキングは不要?日頃の対策
このほか、ダニが再び発生しないようにするには、以下のような寝室・布団のお手入れをできるだけ行うとよい。 ・寝室は窓を開けてしっかり換気する ・布団は3日に1度は干して、起床後は1~2時間空気にさらす ・起きてすぐベッドメイキングをせず、マットレスの表面が乾きやすいように掛け布団はめくっておく ・暑い季節はシーツを3日に1度、少なくとも週に1度は取り替える ・マットレスが両面使用可能なら半年に1度はひっくり返して使う面を変更する など、ダニが心地よい“湿気”をため込まないような習慣も続けよう。ダニによるかゆみや不快感、アレルギー症状が改善すれば、良質な睡眠にもつながるはずだ。 加賀照虎 睡眠健康指導士。3,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を伝える。朝の情報番組にてストレートネックを治す方法を紹介。現在、雑誌、テレビ、ウェブなどの幅広いメディアで快眠の啓発活動に取り組んでいる
プライムオンライン特集班