亡き父と認知症の母に思いを込めて モンゴル歌謡で“生命の真実”を歌う
―モンゴル国文化大使にも任命されました
8月1日にモンゴル外務省任命式がありました。モンゴルの伝統的な音楽を日本の人たちに聞いてもらえる機会をつくりたいと思います。音楽性、技術ともにすごく高いんですよ。「ホーミー」って知ってますか? 喉の楽器です。喉の奥から音を出すんです。果てしなく広い草原で声が届くように、風に負けない発声法から音楽として発展していったものだと聞いています。大使として5年の任期がありますから、日本とモンゴル、音楽を通じた交流をしていければいいなと思います。
―「JAMAAS」をだれに届けたいですか?
今、虐待とか育児放棄、いじめ、意味のわからない殺人とかすごく多いじゃないですか。そこで命はとってもすてきだよ、優しいよ、ということを理屈で教えるんじゃなくて、歌で伝えられたら、いいなと思います。ぜひとも「JAMAAS」を聴いていただいて、ご自分で感じ取ってほしいです。 ■八代亜紀(やしろ・あき)■ 熊本県八代市出身。 1971 年デビュー。 1973年に出世作「なみだ恋」を発売。「愛の終着駅」「舟唄」など、数々のヒット曲を出し、80年には「雨の慕情」で第22回日本レコード大賞を受賞。芸能生活40周年を迎えた2010年には、歌唱技術が認められて、文化庁長官表彰を受賞。以後、ジャズやハードロックなどジャンルを超えた歌に挑戦し、2015年にはブルースアルバム「哀歌ーaiutaー」を発売。2016年には哀歌ツアーを東京・大阪で行い、夏にはFUJI ROCK FESTIVAL等野外フェスにも参加。10月19日に「JAMAAS 真実はふたつ」(1204円+税、日本コロムビア)をリリースする。