花火大会にも“存続の危機”…「祭りとお金」物価や人件費の高騰が夏の風物詩を直撃 “有料化”の動きも
お金の問題は物価高騰だけでなく、少子高齢化をはじめとする様々な地域社会の問題とつながっている。祭りのプロは、伝統をつなげていくためには「変化」も必要だと訴える。
オマツリジャパン 加藤優子さん: 「お祭りに対して皆さんが思う価値っていうのは、人それぞれかなという風に思っております。ある人はお祭りに経済的価値を感じるかもしれないですし、ある人はお祭りに対して、『高揚感』だったりとか『楽しみ』を思う人もいますし、お祭りの時期になったら、家族がみんな帰ってきて集まって、絆を感じる機会にもなるかもしれないですし、今までと同じやり方を続けていくのではなくて、あきらめずに色んな方法を試してみる、お祭りを残していくというのが大事になってくるのかなと思います」
■資金難で…祭りを「フェス」に模様替え
祭りを守るために、あえて大きな変化に挑戦した町がある。岐阜県笠松町でおよそ150年の歴史がある「笠松川まつり」は、川面にたくさんの灯篭を浮かべる「万灯流し」と、打ち上げ花火が堪能できるお盆の風物詩として継承されてきた。 しかし、コロナ明けの2023年、町からの補助金1200万円では復活した人手に対応する警備費を賄えないなどとして中止に追い込まれた。
しかし、消えた祭りを惜しむ声は大きく、2024年は思い切ったリニューアルをして、復活させることになった。 笠松町 古田町長: 「公費・税金で花火大会を運営していたと、それが経費がかさむことによって投入するのもそろそろ限界を超えてしまったなというのが正直なところです。これまでにない目新しさが演出できるんじゃないかと」 8月に行われた「ナイトバブルフェス」は、テンポのいい音楽にあわせて光に照らされたシャボン玉が夜空を舞うイベントで、ダンスに合わせて飛び出すシャボン玉に、子供たちは手をのばしてはしゃいでいた。
参加した子供: 「虹みたいな色だったから、めっちゃきれいだった」 参加した人: 「新しい試みでいいなとは思いました」 歓迎する声の一方で、複雑な思いを抱く住民もいる。 参加した人: 「花火だったらもっとどこからでも音が聞けるし見えるので、花火だったらもっと楽しいかなって気持ちもあります」 参加した人: 「時代の流れというか、これはこれでいいと思いますけど」 広い範囲の警備が不要になったことなどで、イベントの費用は以前の4分の1ほどに減らすことができた。町は来年に向けて改めて内容を検討するという。