花火大会にも“存続の危機”…「祭りとお金」物価や人件費の高騰が夏の風物詩を直撃 “有料化”の動きも
花火大会に協賛した 山川博史さん: 「『(費用が)ちょっと足りないから上がらないかもしれない』と話があって、やばいぞと、だから知っているお店さんに声かけさせてもらった。やっぱり小さい時から花火が上がっていたので、それをずっと絶やしたくないなという気持ちがあって、今までずっと寄付続けている」
花火大会に協賛した 前川欣一郎さん: 「やっぱり小さな町ですので、みんなで色んなものを共有出来たらいいかなという、皆さんに久居を知って頂きたいという地元愛ですね」
■広がる祭りの“有料化” 一方で物議も
伝統をつなぐ費用をまかなうため、祭りの「有料化」の動きが広がっている。東海3県でも岡崎市や岐阜市などの花火大会で有料観覧席を販売し、帝国データバンクによると全国の主要な大会の7割で、有料席が導入されているという。 しかし、滋賀県大津市の花火大会では有料観覧以外の客は来場しないように呼びかけ、目隠しまで設けたことで物議をかもすなど、なかなか一筋縄ではいかない。
花火大会だけではない。日本三大祭りの一つ、京都の祇園祭では2023年に続きプレミアム観覧席を企画し、2024年は最高20万円のプランが用意された。 外国人観光客など富裕層をターゲットに、祭りを間近で見ながらお酒やおばんざいを楽しめる特等席を設けることで、伝統行事を継承する収益源にする狙いだったが、これに対し、祭りを執り行う八坂神社の宮司が苦言を呈した。
八坂神社 野村明義宮司: 「神事にお酒はつきものでありますけれども、それが神様を感じ取っていただけるありがたいお酒ならいいが、ショーを見るような形でのお酒のふるまいはいかがなものか」
こうした意見もあり、一転、酒や食事の提供は取りやめられた。
■高齢化や過疎化で祭りの資金集めも難航
東京には全国の祭りの運営サポートをビジネスにしている会社がある。加藤優子代表が立ち上げた「オマツリジャパン」は有料観覧席の企画のほか、会場で企業の広告を流したり、PRブースを設けたりして資金の確保につなげている。 オマツリジャパン 加藤優子さん: 「例えば商店街ですと昔は個人の商店が多かったので、それぞれが出し合えたけれども、いまチェーン店ばかりになってしまって、なかなか本社の方からお金が出ないとか、あとは高齢化によって昔みたいに自分の足で1件1件回ってお金を集めるということができなくなってきたとか、そういったお話も聞いておりまして」