繁華街「新宿駅東口」トラック流入制限実験 歩行者空間確保を街の魅力に
日本を代表する新宿駅はJR線のみならず小田急線や京王線、東京メトロ、都営地下鉄などが乗り入れる巨大駅として知られます。一日の乗降客数は、約350万人。これは、ギネスブックに世界一と認定されるほどです。東京都民のみならず埼玉県民や神奈川県民なども日常的に利用する新宿駅は、西口が都庁やオフィスビルを中心としたビジネス街を形成しています。 対して、東口は百貨店や人気ショップが立ち並んでいて多くの若者が闊歩しています。また、歌舞伎町やゴールデン街といった歓楽街もあり、多面的な顔を持つ日本屈指の繁華街になっています。平日・週末関係なく、多くの老若男女人でにぎわう新宿駅は活気にあふれる一方で、深刻な課題を抱えています。
舛添都政で打ち出した「繁華街を歩ける街に」
新宿駅西口は副都心として再開発された経緯があるため、ひとつひとつの街区は大きく自動車道も歩道も広幅員で整備されています。一方、東口は明治期から街がつくられた歴史もあり、細かな町割りで道路も狭小です。今般、東口エリアにはたくさんの自動車が走っており、慢性的な渋滞が発生しています。それらが街の魅力を奪い、歩行者に窮屈な印象を与えていたのです。 それらを改善する試みとして、新宿区は道路空間を活用したオープンカフェを設置する社会実験を2005(平成17)年に開始。この取り組みは新宿駅東口の新宿通りと靖国通りを南北につなぐ、モア4番街と呼ばれる街路でおこなわれました。2011(平成23)年に都市再生特別法が施行されたことを受け、新宿区はモア4番街の路上オープンカフェを常設化。全国初のケースとして注目を浴びました。 2014(平成26)年に就任した舛添要一都知事は虎ノ門エリアの“東京シャンゼリゼ計画”をはじめ、東京の繁華街を“歩ける街”にする方針を打ち出していました。都の方針もあり、東京23区内では歩行者空間を改善する取り組みを進めています。モア4番街に路上オープンカフェを設置した新宿区でも、さらに歩きやすい街にするための努力を続けています。