「光る君へ」柄本佑が見た吉高由里子の凄さ 涙の名演は「佇んで見るしかできなかった」
さらに、まひろを演じる吉高の凄さにも触れる。「先に申し上げたように、まひろはついさっき言ったことと真逆のようなことを言うことがあって、明らかに矛盾してはいるんだけど、どっちも嘘じゃないんですよね。別に相手を翻弄してやろうっていうことでもない。きっとまひろは嘘がない人なんだと思う。どの言葉もまっすぐに放たれているもので、そういう風に角度が変わっていく表現が、吉高さんは毎回すごいなと思っています」
吉高の演技で特に圧倒されたというのが、2月4日放送・第5回「告白」で、まひろが自身の母親を殺したのが道長の兄・兼家であることを道長に告げるシーン。 「廃邸の長いシーンでは特に吉高さんの懐の深さ、器の大きさを感じていて、10回の長いワンカットのシーンなどもあるのですが、なかでも印象に残っているのが、5回の告白のシーン。あの場面は吉高さんに目を奪われていたような気がします。もう佇んで見ることしかできなかった。吉高さんがすごいのって、強いんだけど弱くも見えるところ。それはいつも感じていることです」と吉高に強い信頼をにじませていた。(編集部・石井百合子)