圧力はあった?なかった?貴乃花親方衝撃引退届も協会側と真っ向意見対立
27日の年寄総会、協会理事会では、無所属だった親方10人の一門入門の了承と、所属する一門の決まっていない貴乃花親方への対応が議題となる予定だったというが、それらの動きに、まるめこまれることを避けるようにして、あわてて2日前に貴乃花親方は引退届を提出した。 この日の会見で「急ピッチでされている様子もうかがわせた。その原因はわかりかねるところ。なぜ?という疑問がありました」と、その異様な協会側の動きに不信感を抱いていたことも口にしている。 協会サイドは、書類の不備を理由に引退届を受理できないことや、千賀ノ浦部屋の署名捺印がなかったため、残された弟子の移籍願いも受理されないことも合わせて明らかにした。 関係者の中からは「弟子の行く末を本当に最優先して心配しているのなら、千賀ノ浦親方と、もっと話をつめておくべきだった」との批判の声も出たが、貴乃花親方からすれば、数年前から継承者として千賀ノ浦親方を指名していた経緯があるため、受け入れの確認作業を簡単に済ませてしまったとも考えられる。 また「協会側の説明がより具体的だった。8月7日の協会側からの文書も一部しか明らかにせず貴乃花親方の説明には具体性に欠ける」と、圧力の有無に関しての両者の主張が真っ向対立したことについて、協会側を支持する相撲関係者も少なくない。だが、今後、法的手段を含めた協会に対してのアクションを起こす考えがないまま「引退」という重大な決断を行い、身を挺して協会への最後のメッセージを送った貴乃花親方が、この期に及んで嘘をつく必要などあるのだろうか? 何も問題がなければ、部屋を存続させるために、すんなりと、声をかけてもらった一門へ入門したのではないだろうか。どう考えても、傷害事件が起きて、内部告発まであった問題に、第三者委員会を発足させないような公益財団法人は異常なのだ。 協会への意見は?と聞かれた貴乃花親方は「若い力士が、力ある力士が成長していく姿をたくさん作っていただきたいとそう願っています」と、真摯に答えた。 そして、たった一人で振り続けた「改革の旗」を降ろすことになった“敗北”についての感想を聞かれ「たくさんの見方、見解があると思うんですが、自分が育てた弟子がとにかくかわいい。この子たちの幸せと栄光と、その道をつくってあげたい。これからは側面的になりますけども、それだけをしてあげたいなという気持ちでいる。敗北であっても相撲に携わって生きていくことを念頭に置きたい」とも語った。平成の歴史に残る大横綱が、志半ばに引退することになった経緯を協会は、もっと重く受け止めるべきだろう。