安曇野ちひろ公園に広がるトットちゃんワールド 「電車の教室」を再現
女優で司会者の黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」に登場する電車の教室が今年7月23日、長野県松川村の村営安曇野ちひろ公園の一角にオープンする「トットちゃん広場」に再現されます。本物の電車2両を置き、トモエ学園でトットちゃんが授業を受けていた時代の机や椅子、教材、ランドセルなども備えます。これに先立ち、隣接の安曇野ちひろ美術館は電車の教室の一部を再現、子どもたちがトットちゃんの世界を体験できるようにしました。印象的な子どもの絵で知られる画家・絵本作家いわさきちひろとも縁の深いトットちゃんの世界が広がり、多くのファンが訪れそうです。
電車は長野電鉄から譲り受け
松川村は安曇野ちひろ公園の拡充計画の一環としてトットちゃん広場を設け、電車は長野電鉄(長野市)から譲り受けて一昨年、現地に据えました。1両は1926(大正15)年製のデハニ201、もう1両は1927(昭和2)年製のモハ604。1両は教室に、1両は図書室として利用する予定です。 電車の移設の際は「トットちゃんの電車がやってくる! 特別お泊り会」を行い、早朝トレーラーで到着する電車を多くのトットちゃんファンや地元の人などが迎えました。現在、2両の電車が公園の草原の中にそびえ立つように設置され、付属施設など周辺の整備が進んでいます。
電車の中に据える机や椅子は長野県池田町の池田工業高校の生徒が作り、県内の小学校から集めた教材なども教室の備品として一部備えました。安曇野ちひろ美術館は、戦前の1940(昭和15)年ごろから戦後の1949(昭和24)年ごろまで使われたランドセル、セルロイドの定期入れ、筆箱、そろばん、顕微鏡、地球儀などの学用品を探しており、先月末まで募集しました。
美術館にも「電車の教室」再現
これと併せて、同美術館内にも再現した電車の教室「トットちゃんの部屋」はすでに展示を開始。小さな木の机や椅子が並び、網棚や窓も電車とそっくりに作ってあります。図画工作、理科などの科目で子どもたちが課題に取り組むワークショップが楽しめ、国語では「トットちゃんに手紙を書こう」といったテーマも。