中国外務省「警察の初期判断は偶発的事件」 日本人母子刺傷事件
中国東部・江蘇省蘇州市で24日午後、日本人学校のスクールバスが刃物を持った男性に襲われ、日本人の母子ら3人が負傷する事件が発生した。日本人の母子は病院に搬送されたが命に別条はなかった。バスに同乗していた中国人女性が意識不明の重体。地元警察が無職の男性(52)を容疑者として拘束した。 【写真】事件の現場となったバス停 日本政府関係者によると、日本人の母子は30代の母親と未就学の男児で、バス停で日本人学校の子供らを乗せた送迎バスを出迎えていたところ、突然、男性の襲撃を受けたという。重体の中国人女性はスクールバスの送迎に付き添う職員で、男性がバスに乗り込もうとしたところを止めようとしたという情報もある。地元警察によると、男性は最近、蘇州市に来たという。 中国外務省の毛寧副報道局長は25日の定例記者会見で「このような事件が起きたことは遺憾だ。中国はあらゆる在中外国人の安全を保護する」と表明。詳しい動機などは捜査中としつつ「警察側の初期の判断は偶発的事件だ」と述べた。 蘇州市は上海市と近接する都市で日系企業も多数進出。在中国日本大使館によると、25日は蘇州の日本人学校を休校としたほか、各地の日本人学校などに警備を強化するよう通知を出すなど注意を呼びかけた。 中国では10日にも、北部の吉林省吉林市の公園で、米国人4人が刃物を持つ男性に襲撃されて負傷する事件が起きていた。【蘇州・岡崎英遠】