新型コロナで注目「オンライン診療」の課題とは? 医療崩壊を止められるのか
オンライン診療の今後
新型コロナウイルスの感染拡大で、にわかに注目を集めているオンライン診療。以前から、オンライン診療の普及拡大に取り組む黒木医師は「今は医療界以外から『オンラインをやれやれ』とすごい勢いだ」と苦笑しながらも、次のような懸念を示しています。 「例えば、規制改革の文脈でオンライン診療が語られたりすることがありますが、そうした人々は医療の内容にまでは関与しない。私たちとしては、オンライン診療がただ広がればそれでいい、とは思っていない。広げることは目的ではないのです。地域医療の質を向上させるのが目的なんですよ。オンライン診療はその手段の一つとしてあるのです」 「だから、本来は医療の現場から、オンライン診療のあるべき姿をつくりあげていかなければいけない。オンライン診療を一つのエンジンとして、日本の医療全体の質を向上させていく。そういうことを提案しています」 オンライン診療の実質的な解禁から今年で丸5年。オンライン診療は万能ではありません。しかし、もしこの5年間に、その利点と限界についてもっと議論を進め、利点を最大限に活かす方向で診察事例を積み重ね、その裾野を拡大しておけば、非常事態の今、オンライン診療をもっと有効的に活用することができたのではないでしょうか。