「じりじり首を絞めるような痛み」“円安”で原材料費など上昇 年内は円安続き秋に値上げラッシュか
テレビ静岡
5月からオリーブオイルなど多くの食品が値上げされます。値上げの大きな要因となっているのが円安の影響です。一時1ドル160円台に下落するなど円安が加速していて、専門家は「今年中は円安の基調が続くのでは」と指摘しています。 5月から食料品や電気料金が値上げ オリーブオイルなど食料品の平均値上げ率31%…2022年以降最大
34年ぶりの円安水準
4月29日 円相場は一時1ドル160円台まで下落し、1990年以来約34年ぶりの円安水準となりました。 専門家は「加速する円安の背景には日米間の金利の差が関係している」と説明しています。 静岡経済研究所・恒友 仁 専務理事: 日本の政策金利は0%から0.1%に対してアメリカは5.25%から5.5%ということで、5%以上の乖離がある。資金というのは金利が低い方から高い方に流れるので、「ドル買い円売り」が起こる。それがベースとなっていまの円安が起こっている
「今年中は円安基調が続く」
円安の進行は原材料や輸送費、さらには人件費といったコストの上昇と重なり、県内の中小企業は厳しい局面を迎えているようです。 静岡経済研究所・恒友 仁 専務理事: (静岡県は)材料を輸入して国内の企業に販売するような中小企業の方が圧倒的に多い。そういった企業のことを考えると円安というのはじりじり首を絞めるような痛みがあるのかなと 恒友専務理事は「今年中は円安の基調が続くのでは」との見解を示しました。 静岡経済研究所・恒友 仁 専務理事: 年内に関していうと日米の金利差は縮まらないと考えますので、少なくとも今年中は円安の基調というのは続くと思う
静岡経済研究所の恒友専務理事は、「円安が県内の自動車関連の輸出企業は収益増加につながっているものの、圧倒的に多い中小企業にとって厳しい局面」と言います。 また「外国人観光客が増え、観光産業や飲食業にとってはチャンス」とのことです。そして今後については「今年中は円安基調が続く」と説明しています。 しばらく円安が続くという見通しで企業にも家計にも大きな影響が出そうです。 ジャーナリスト・大阪芸大短大教授 立岩 陽一郎さん: 円安もメリットとデメリットがあって、メリットを享受している企業が儲けを社会還元するようにしてくれれば良い思う 弁護士・菊地 幸夫さん: 日銀が金利を上げようとしても、住宅ローンや中小企業の借り入れなどを考えて実行できない状況なのでは。日本の経済力が低下してしまっているのが一番の問題ですね 帝国データバンクは「円安がさらに進めば秋にも値上げラッシュが想定される」と指摘していて、家計も企業も節約や工夫が求められそうです。
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