DeNA・牧秀悟が世界に示した「exuberant nature」 そして生まれた劇的グランドスラム
【球界ここだけの話】持ち前の明るさを、世界に示した大会でもあった。DeNA・牧秀悟内野手(26)が侍ジャパンの主力を担った11月の世界大会「プレミア12」。もはや日本の野球ファンにとってはおなじみとなっている明るい人柄が、世界の記者から注目を集めた。 【写真7枚】豪雨の中、ノリノリでブルブルダンスを踊るDeNA・牧と知野 MLB公式サイトの記者は、本人への単独取材をもとに「侍ジャパンの中心を担っている、踊る陽気な強打者」との見出しで牧の特集記事を掲載した。入団から4年連続20本塁打以上を放った実績とともに、日本国外で有名となったのは「his exuberant,fun-loving nature(彼の陽気で楽しいことが好きな性格)」と、牧がロッカールームで踊るDeNAの公式SNSの動画を引用して紹介。これには本人も「おもしろい書き方しますね」と笑っていた。 また、東京ドームでの試合後の記者会見では、海外メディアから「WBC以来、面白い性格や国際大会の本塁打を見て海外でもファンが増え、世界のスターになっている」と話を振られ「いろんな国の、野球をやっていない人にも名前を知られているのはうれしいこと」と笑みを浮かべた。 決して「ふざける」や「へらへらしている」とは違う。メディアなどを通して牧が明るく振舞う理由について、後にこう語っている。 「野球をやっているときは、やっぱり野球が好きなのでとにかく楽しみたいという思いはある。苦しいこともあるけど、それ以上に得るものがあるので。落ち込んでやっていても良いパフォーマンスは出ないって昔から分かっているので、できるだけポジティブに、やった結果が今のようになっているのかなと」 事実、大会中も普段はライバルチームで対戦する他球団の選手たちが何人も、同僚となった牧について「下を向いたり、暗くなったりする姿を見せない」「打っても打てなくても、次に打つぞってベンチでも前向きでいる」と語っていた。期間中は9打席連続無安打など苦戦する日々もあったが、「いつもと違うメンバーでいる中で、あまり暗いところを見せても意味ないので、よりいつも通りを心掛けた」と弱みは見せず前を向き続けた姿が、ベネズエラ戦の劇的な決勝グランドスラムを生んだ。 大きな期待と重圧。苦しい、悔しいときも当然ある。それでも、すぐに次の戦いはやってくる。極限状態の中で戦い続けるからこそ、明るく、前向きに。それこそが世界に伝えたい、牧のメンタリティー。(浜浦日向)