【全日本卓球】諦めなければ夢は叶う。「決戦の金曜日」に終結した選考レース、平野美宇が2枚目の五輪切符
天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 1月22~28日 東京体育館 大会5日目 1月26日 女子シングルス4回戦、5回戦と隣り合わせの8コートと17コートで試合を重ねた平野美宇(木下グループ)と伊藤美誠(スターツ)。2試合とも伊藤が先に勝利を決め、平野が続く形だったが、6回戦でそれが崩れた。 大藤沙月(ミキハウス)をストレートで下した平野に対し、伊藤はゲームカウント3ー1のリードから木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)に逆転を許した。 ●女子シングル6回戦 平野美宇(木下グループ) 11、8、8、4 大藤沙月(ミキハウス) 木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋) -7、11、-7、-8、10、9、7 伊藤美誠(スターツ) パリオリンピック選考ポイントのランキングで2位の平野と3位の伊藤。6回戦で伊藤が敗れた時点で、平野を上回る可能性はなくなり、平野が早田ひな(日本生命)に続く、二人目のパリオリンピック・シングルス代表候補内定選手となった。 大会5日目の1月26日(金)は女子シングルス4・5・6回戦が行われ、7ゲームズマッチを3試合戦うハードなスケジュール。上位進出のカギを握る「決戦の金曜日」に、2年半に及ぶパリオリンピックの代表選考レースは終結の時を迎えた。
試合後の会見で大藤戦を振り返り、平野は「(5回戦と6回戦の)ふたつの試合で勝ち切ることができたので、大藤選手との試合でも自分のやるべきことをやり切れた」と語った。昨日の会見でも「1試合目から決勝のつもりで戦いたい」と語っていた平野だが、大苦戦した4回戦の面手凛(山陽学園高)戦の最終ゲーム中盤で、改めてその覚悟が定まったように見えた。勝負所でバック対バックからのストレート攻撃、思い切りの良い回り込み強打が決まった。 平野は大藤戦後の会見の後、伊藤の敗戦を受けて改めて五輪代表候補内定の会見を実施。その冒頭で「自分の試合が勝って終わってから、少し経って(五輪代表が)決まったのでまだ実感が完全に湧いていないんですけど、決まったのは事実なのですごくうれしい」と語った。 その表情には安堵の色が浮かんでいたものの、満面の笑顔はなかった。「実感が湧かない」というのはまさしく実感であったろう。