【独自】ミャクミャク像事件「真犯人」の正体がわかって窮地「吉村知事」東京15区補選も敗色濃厚で
相次ぐ失言はなぜ起こる
その後、維新の創立者である大阪府の元知事、橋下徹氏が 「マズイ発言だ。維新の政治集会の発言でも、ちょっとやりすぎだと思う」 とテレビ番組で苦言を呈したことで、風向きが変わったのか、吉村知事は4月10日の記者会見でこう話した。 「これはいくら政治集会の場であったとしても、僕は言い過ぎたというふうに思います。僕が間違っていたと思います。この点については、撤回をして、玉川さんに謝罪を申し上げます」 「失言」を撤回して謝罪に追い込まれたのだ。吉村知事はコロナ禍でも「国産ワクチン」「うがい薬がコロナに効果」など「失言」が絶えなかった。衆議院補欠選挙では吉村知事が何度も応援に入る東京15区の維新候補の支持が伸び悩む。地元大阪でも、藤田文武幹事長の大東市長選でも維新候補が惨敗し、吉村知事と維新は下降線をたどるばかりだ。 大阪維新の会の幹部は沈痛な面持ちでこう語る。 「これまで少々の失言も人気で、押し切ってきた吉村知事ですが、橋下氏に指摘されたのが大きかったのか、発言を撤回しました。会見の日はとても機嫌が悪く、まわりは声もかけづらい状況だったと聞いている。維新の看板政策、万博もガス爆発の事故が起こったり、パビリオン建設が相変わらず遅れていたり、吉村知事もイライラしていて失言が相次いでいるのでしょうか。吉村知事は維新の顔である以上、これはヤバい」 4月には、静岡県の川勝平太知事が職業差別とも思われる「失言」が理由で辞職に追い込まれた。自民党の大阪府議はこう語る。 「吉村知事はこれまで失言を繰り返しながらも責任はとらない、ごまかすことが続いておりあまりにひどい。進退を考えるべき」 前出の維新幹部は「辞任など大ごとにならないように、炎上が鎮まるのを祈るばかり」という。現代ビジネスで「維新戦記」を連載していた米山隆一衆議院議員は、かつて維新に所属し、新潟県知事を経験、弁護士でもある。吉村知事の一連の「失言」について米山氏に見解を聞いた。 「ミャクミャクの像を傷つけた人を最初から『万博を反対する人』と決めつけるなど、とんでもないことです。玉川さんへの『出禁』発言は、誹謗中傷ではないか。吉村知事の発言は万博に反対する人は、社会からつまはじき、仲間外れするぞと言わんばかりで、反対派への圧力になる。言論、表現を萎縮させるものです。いかにも『維新』という発言ですが、吉村知事は政治家であり、かつ人権を最も尊重しなければならない弁護士でもあり、言語道断だ」 相次ぐ炎上への批判に、吉村氏は聞く耳を持つのだろうか。
現代ビジネス編集部