佐藤水菜、女子スプリント3位 日本女子で同種目初メダル「歴史に名前を刻めるのはうれしい」【自転車・世界選手権】
【デンマークバレラップ八手亦和人】自転車トラック種目の世界選手権第3日が18日、当地で行われ、佐藤水菜(25)=日本競輪選手会=が女子スプリントで3位。日本の女子で初めて同種目のメダルを獲得した。今大会の日本勢は連日メダルを獲得しており、これが4個目。また、中距離では女子オムニアムで内野艶和が7位、男子ポイントレースでは児島直樹が9位と健闘した。 ◇ 色は銅だが、日本勢では初めて佐藤が女子スプリントのメダルを獲得した。男子も1989年を最後に表彰台から遠ざかる難易度の高い種目である。「スプリントはケイリンよりも実力勝負。これまでケイリンでは運もあって取れたが、このメダルは価値を感じている。女子初なのは光栄ですし、歴史に名前を刻めるのはうれしい」。世界選手権ではすでに2個のケイリン銀メダルを獲得。しかし、花形スプリントのメダルは格別だ。 17日の予選のハロン成績は良くはなかった。10秒552は5位。対戦では1回戦から準々決勝まで一度も負けることなく勝ち上がったが、準決勝は連覇することになる予選1位のフィヌケン(英国)にストレート負けした。気を取り直して臨んだ3位決定戦。ここでは先手必勝とばかりに先に仕掛けて完勝した。「予選5位で厳しい位置だったけど、格上(予選2位)の選手を倒せてよかった」。予選タイムが上回る相手に勝てたのは、戦術や体力が勝ったのだろう。 パリ五輪はメダルを獲得できずに終わったが、押しも押されもせぬ女子のエース。ガールズケイリンでは無敵を誇る。競技を続けるかどうか明言を避けていても責任感は誰よりも強い。「欧州とアジアの力の差は明確ですが、その中で日本は力を上げていっている。いつトップになれるか分からないけど、めげずに頑張っていけば欧州の選手の敵になれる。私以外の若手が育って、チームスプリントでメダル争いできることが本当の実力の向上だと思う」。胸に輝くスプリントの銅メダル。佐藤に続く若手に勇気と希望をもたらすメダルでもある。
中日スポーツ