31歳のダニエル太郎、9年ぶりに兵庫CHで4強入り!「成長し続ける姿勢が、自分で自分を尊敬できるところかな」<SMASH>
ダニエル太郎が、この男子テニス国際大会「兵庫ノアチャレンジャー」(11月11日~17日/兵庫・ブルボンビーンズドーム/ハードコート/CH100)でベスト4以上に勝ち進むのは、9年ぶりのことである。 【画像】2024全仏オープンを戦ったダニエル太郎ほか男子日本人選手たち 2015年――当時22歳のダニエルは、世界の119位で兵庫入り。初戦で吉備雄也に勝利し、その後もトップ100経験者のベテランたちを退ける。決勝ではジョン・ミルマンに敗れたが、トップ100入りへの大きな足掛かりとした。 それから9年が経ち、31歳となったダニエルが今大会の準々決勝で当たったのは、内山靖崇。生まれ年では内山が1年早いが、“学年”的には同期。「小学校の頃から知る」仲であり、幾度も練習をともにしてきた盟友的存在だ。 ダニエルは内山を、「爆発力のある選手」であり、「良い時はポジションを上げ、どんどん前に出てボレーもしてくる」と警戒する。ただ今回の対戦では、内山が前に出てくる機会は、ほとんどなかった。その要因はダニエル曰く、この日のコンディションにもあったという。 「今日は結構湿気があったので、ボールがいつもよりフサフサして遅いコンディションだった。ネットに行くのが難しいなかで、内山くんもしっかり後ろから打つことを重視したと思う」 その状況を把握し、相手の心理も見極め、そして自分のやるべきプレーをはじき出す。 「高く打つとか、低いボールを使ったり。ちゃんと目的があるショットじゃないと、すぐ叩かれてしまう。相手に何をやらせるためのショットかという工夫が、けっこう大事。特に、ボールがそんなに飛ばない環境だと、それがやりやすいところもある」 この日の内山は前に出るのを躊躇しているようにも見えたが、それはコートやボールのコンディションと、ダニエルの策にあった。ダニエルの圧勝にも見える6-3,6-4のスコアの打ち分けは、ダニエル曰く「本当に少しのところで、流れが変わった可能性があった」という接戦でもあった。 今季のダニエルは、1月時点でキャリア最高位の58位に達し、ATPツアーを主戦場に戦ってきた。ただ高いレベルに身を置けば、当然ながら大会序盤での敗戦も増える。シーズン終盤に来てランキングも落ちた中で、来季の100位以内を確定させるべくチャレンジャーにも出場した。すると3週間前の台湾チャレンジャーでは優勝し、翌週のソウルでは準優勝。来年1月の全豪オープンは確実にした上で、さらなる上乗せを狙っているのが現状だ。