【問う 時速194km交通死亡事故】大分地裁公判、視覚研究の准教授「高速度だと視野狭まる」 夜間の動体視力低下も説明 弁護側は「根拠が不十分」
大分市内で2021年2月に時速194キロで車を運転し、死亡事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)の罪に問われた被告の男(23)=同市=の裁判員裁判は11日、大分地裁(辛島靖崇裁判長)で第4回公判があった。視野の専門家が検察側証人として出廷し、「高速度だと視野が狭まる。個人差はあるが、万人共通の生理的メカニズムだ」と述べた。 証人は、人間の視覚を研究する北里大医療衛生学部(相模原市)の男性准教授。 准教授は経済協力開発機構(OECD)の調査報告書を引用し、「一般的に人間の視野は左右180度。速度が高いと狭まり、時速40キロで100度、時速130キロだと30度になる」と説明した。夜間は、動体視力も低下するという。 危険運転致死罪が成立しないと主張する弁護側は、報告書に実験の条件が書かれておらず、根拠が不十分などと強調した。 次回第5回公判は12日。被告人質問があり、遺族の女性(58)は法廷で意見を述べる。 <メモ>事故は2021年2月9日午後11時過ぎ、大分市大在の県道(法定速度60キロ)で発生した。当時19歳だった被告の男は、乗用車を時速194キロで走らせ、交差点を右折してきた乗用車に激突。運転していた同市の男性会社員=当時(50)=を出血性ショックで死亡させた。