米FTC、コーチなど展開のタペストリーによるカプリ買収阻止で提訴
(ブルームバーグ): 米連邦取引委員会(FTC)は22日、高級ファッションブランドのコーチやケイト・スペードを展開する米タペストリーによるライバルブランドでマイケル・コースの親会社カプリ・ホールディングス買収を阻止するため提訴した。
反トラスト法(独占禁止法)の積極的な執行を推進するバイデン政権がファッション・アクセサリー・セクターでの買収阻止を目指すのは初めて。FTCは85億ドル(約1兆3200億円)の買収案件について、比較的手頃な高級品セクターでハンドバッグやアクセサリーの値上がりにつながり、消費者の不利益となると主張している。
コーチを展開するタペストリー、マイケル・コース親会社を買収へ
FTCは委員長を含む5人の全員一致で買収阻止を目指すことを決め、連邦裁判所に提訴するとともに、内部の審判手続きを開始することにした。
22日の通常取引終了後の時間外取引を見ると、タペストリーの株価はニューヨーク時間午後5時17分(日本時間23日午前6時17分)時点でほぼ変わらず。カプリ株はFTC提訴のニュースを受けて一時大きく動いた後、同日終値比0.1%安となった。
投資家は買収案件の勝訴の可能性を評価するためFTCと両社の発表文を詳しく分析している。
FTCのリュー競争局長は発表文で、「買収を重ねることを目標とするタペストリーは、カプリ買収を目指すことでファッション業界での拠点をさらに強固にしようとしている」と指摘した。
一方、タペストリーは電子メールで配布した発表文で「これが競争と消費者の双方にメリットがある取引であることに一切疑問はなく、FTCは市場や消費者の購買方法を根本的に誤解している」と論じた。また、カプリは「裁判でタペストリーと共にこの案件を積極的に弁護し、買収を完了させる」としている。
原題:US Sues to Block $8.5 Billion Union of Coach, Michael Kors (1)、US Sues to Block $8.5 Billion Union of Coach, Michael Kors (2)(抜粋)
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Jeannette Neumann, Leah Nylen