「まさに夢のおもちゃ箱…」リメイクされないファミコン『コナミワイワイワールド』という「奇跡の名作」
■各キャラの特徴を生かしたステージ構成
多作品のキャラクターが集合するクロスオーバー作品は少なくないが、キャラごとに強さや使い勝手の違いがあり、使われやすいキャラとそうでないキャラに分かれがちである。 そのあたりのバランスが良かったというのも同作の魅力のひとつだろう。 たとえば、ゲームに登場する宝箱を開けることができるのはゴエモンだけ。背の低いマイキーは、他のキャラでは通れない狭い通路を通れる。月風魔は剣や手裏剣を使ってブロックを壊せる。 このようにキャラを使い分けないとステージを攻略できないようになっており、特定の好きなキャラだけに偏らないプレイが求められる。 また、同作は基本的には横スクロールのアクションゲームだが、ゲームを進めるとシューティングステージをプレイすることができる。このシューティングも『ツインビー』(1986年)と『グラディウス』を一緒にしたような感じで、雲を撃つとベルが出現し、撃つ回数によってミサイルやバリアなどを手に入れ、パワーアップすることができた。 しかも、『ツインビー』のような2人協力プレイができるというのも、同作品ファンにはたまらないものとなっている。 このように、1つのゲームでアクションもシューティングも両方楽しめることができたのだから、かなり盛りだくさんのゲームであったといえるだろう。 いろいろなキャラが勢揃いするゲームでいえば、のちに『大乱闘スマッシュブラザーズ』(任天堂)などもヒットした。『コナミワイワイワールド』を振り返ってみると、この作品こそがその先駆けと言えるものであったと改めて感じる。 惜しむらくは、何度も言うようにオリジナル版はファミコンでしかプレイできないという点。機会があればぜひプレイしていただきたい一本だ。
徳江風波