日本当局、円安見込む一方的な取引防いだ-ポイント72ドロッソス氏
(ブルームバーグ): 日本の通貨当局が行ったとみられる円買い介入は、円安を見込んだ一方的な取引を防ぐという一つの重要な目的を果たしたと、 ポイント72アセット・マネジメントのソフィア・ドロッソス氏が指摘した。
ポイント72でエコノミスト兼ストラテジストを務めるドロッソス氏は、当局が再び円買い介入に踏み切る場合のリスクを踏まえ、投資家が持続的な円安に賭けることを警戒するようになったと話す。
ニューヨーク連銀で公開市場操作を担当していた経験を持つドロッソス氏はインタビューで、「当局は一方向となった市場に対抗するため介入し、意外性という要素を戦術的にうまく使っている」と分析。「現在のボラティリティーは投資家にとって耐えがたいかもしれない」と語る。
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日本の当局は円買い介入を実施したかどうか確認していないが、介入観測の広がりで急速な円安に少なくとも一時的には歯止めがかかっている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、投資家は3日発表される4月の雇用統計に注目している。強い内容となれば、日本当局による今週の取り組みだけでは「円相場を支えるには恐らく十分ではないだろう」とドロッソス氏は指摘。「だが、弱い数字であれば、日本銀行と財務省は介入で追い風を受けるかもしれない」とした上で、「とにかく不確実性が非常に強い」と述べた。
原題:Point72’s Drossos Says Japan Disrupting One-Way Bets Against Yen(抜粋)
--取材協力:Carter Johnson.
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Anya Andrianova