身勝手な「帝王」女子中学生3人に『性的暴行』 薬を「過剰摂取」させ犯行か 西成の闇市で入手の「睡眠導入剤」を少女に譲り渡す 「グリ下の治安を守りたい」と語った男の素顔
■不同意性交罪「親にも挨拶をしていた。同意あった」と主張
また、3人の少女に対する不同意性交罪についてはー。 【浦野被告】「Aさん、Bさんとは付き合いも長く、親にも挨拶をしていた。同意があったと思っています」※ ※不同意性交罪は、性交同意年齢(=自分で性行為への同意を判断できるとされる年齢。16歳)に達していない相手と、性行為をした場合、同意があってもなくても成立する。 浦野被告は16歳未満のAさん、Bさんと性行為をしたことから、同意があったとしても罪が成立すると起訴内容を認めている。 一方検察側は、浦野被告がCさんに性的暴行を加えているとき、「案件(=パパ活・援助交際)行くか?」と売春を強要するかのような発言をしていた撮影データなどがあったと指摘。 これについては次のように答えた。 【浦野被告】「『OD』していたので記憶がない」 そのうえで口にしたのは、支離滅裂な主張だ。 【浦野被告】「彼女にしたいと思ったのか、口説き文句として言っただけで強制していない」 売春するよう迫るような言葉が「口説き文句」だと話したのだった。 これには浦野被告を弁護する側の弁護士も困ったような表情をしていた。
■当時5人と交際「貢いでもらっていた」と明かす 恥ずかしさ感じるとも
さらに質問によってあぶりだされたのは、浦野被告の素顔だ。 「『帝王』と名乗ると少女たちが寄ってきた」と話し、当時5人と交際していて、無職だったため金品を貢いでもらっていたと明かした。 一方、不同意性交事件の被害者であるAさん、Bさんの親には、10歳ほど若く年齢を偽り、「コンセプトカフェで働いている」と嘘の説明をしていて、実際の年齢や貢いでもらっている状況を考えると、恥ずかしさを感じていたと話した。 Aさん、Bさんの両親には、謝罪文を書いたものの、受け取ってもらえていないという。
■身勝手な自称「帝王」 守り導く存在になるはずが
裁判を通して私が感じたのは、浦野被告の身勝手さだ。 被害者となった少女たちの14歳、15歳という年齢は、まだこれから判断力を養わなければならない、未成熟な年代だ。 浦野被告が「グリ下」に集まる若者たちの「保護者」であるというのなら、「自分と『OD』すれば安全」などと誘うのではなく、薬の過剰摂取をやめられるよう働きかけるべきだ。 ましてや性交同意年齢の16歳にも達していないのに、「同意があったと思っている」と性行為をすることはもってのほかだ。 私が見てきた「グリ下」の若者たちは、虐待などで家庭に居場所がなく、苦しんだ末にこの場所にたどり着いていた。 生活を安定させ、立ち直りたいという思いを持っていた子供たちもたくさんいた。 浦野被告の年齢を考えれば、そういった子供たちを正しい道へと導くことこそが、役割だったのではないだろうか。 浦野被告は法廷で「未成年、薬への甘い考えがよくなかった。深く反省している」と話し、「グリ下との付き合いは遮断して、SNSも削除する」と誓った。 しかし、おととしの取材でも彼は私にこう話している。 【浦野被告(おととし)】「未成年と2人きりになりたくないです。怖いです」 それでも「グリ下」で若者を食い物にし続けてきたのだ。本当に今回は反省しているのだろうか。 次回の公判は来月12日、検察側の求刑などが行われる見通しだ。 (関西テレビ 大阪府警担当記者 大野雄斗)
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