大人もハマる「忍たま乱太郎」の真骨頂と呼べる作品『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、アニメ「忍たま乱太郎」の劇場版第3弾、大人の成人式に挑む男女が繰り広げるコメディ、メタルコピーバンドの珍道中を描いたメタルコメディの続編の、胸が熱くなる3本。 【写真を見る】失踪した土井先生を捜索中の六年生の前に、土井先生と瓜二つの天鬼が現れる…(『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』) ■バトルシーンはシリーズ屈指のカッコ良さ…『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(公開中) 戦国時代の忍術学園を舞台に、“忍たま”(忍者のたまご)たちの友情や成長を描き、アニメ化30年以上に渡って幅広い世代に愛されるシリーズの、約13年ぶりとなる劇場版アニメ。消息を絶ってしまった乱太郎たちの先生=土井半助(声:関俊彦)が、ドクタケ忍者隊の天才軍師、天鬼となって、乱太郎(声:高山みなみ)、きり丸(声:田中真弓)、しんベヱ(声:一龍斎貞友)たちの前に立ちはだかる。土井になにが起きたのか?乱太郎たちは土井を取り戻せるのか? お馴染みのドタバタギャグはもちろん、スピーディーなバトルシーンはシリーズ屈指のカッコ良さ。そして、きり丸と土井の絆が生む感動。六年生の活躍はもちろん、お馴染みのテーマソング「勇気100%」を歌う、なにわ男子の大西流星と藤原丈一郎が演じるオリジナルキャラクターにも注目。大人もハマる「忍たま乱太郎」の真骨頂と呼べる作品だ。(ライター・榑林史章) ■ちょっとヘンテコでユニークな愛すべき人生讃歌…『セカンドステップ 僕らの人生第2章』(公開中) ジェイソン・シュワルツマン(ウェス・アンダーソン作品の常連俳優)主演×『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(23)などA24作品のプロデューサー、ティム・ヘディントン。監督は、ザ・ニューヨーカー誌が「近年のインディペント映像作家の中で最も独創的な一人」と称するネイサン・シルヴァー。そこから導かれる“期待”に違わぬ、ちょっとヘンテコでユニークな愛すべき人生讃歌。ベイトマンが扮するのは、40歳の男やもめ、ベン。事故で妻を喪ったことからユダヤ教信仰の危機に陥った彼が、70歳になる恩師の女性カーラと再会。ユダヤ教に興味を抱く彼女に、“ユダヤ教の成人の儀式”をほどこそうと協力し―。 愛情深いがお節介な互いの家族や関係者らが入り乱れ、みなが自分の価値観で“幸せになるために、こうしろ”と押し付ける姿が、いやに人間臭く身勝手で、いかにも“あるある”!自分が正しいと思い込む人間たちの面倒くささに、失笑するやら呆れるやら、同時に我が身を振り返るやら。呆れつつ笑える、その抜き加減や緩さが絶妙。人生、やりたいことをやらなきゃ損。遅すぎることなんてない。―なんて勇気が湧いてくるポジティブな後味がいい。カーラ役は『アニー・ホール』(78)などのベテラン、キャロル・ケイン。(映画ライター・折田千鶴子) ■今回もバンドあるあるネタ満載…『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』(公開中) 12年間、オリジナル曲もなければ、ライブもしたことがなかったフィンランドの村出身メタルバンドがノルウェーのメタルフェスを目指す珍道中『ヘヴィ・トリップ/俺たち 崖っぷち北欧メタル!』(19)。異例のヒットから5年。服役中のメンバーが再び、大暴れを繰り広げる。脱獄、国外逃亡と今回も着実に罪を重ね、それでも出たいのはドイツの有名メタルフェス、ヴァッケン・オープン・エア! 失うものがなにもなかった前作と違い、破天荒ぶりに塀の外ではすっかり知る人ぞ知る存在となっていた彼ら。商業主義の音楽業界の洗礼を受け、不本意な衣装や音楽を押し付けられ、ボーカルのトゥロだけ、特別扱いされる羽目に。憧れの重鎮バンド、ブラッドモーターの行末を目の当たりにして、迷わずにいられない。スターか、仲間か。今回もバンドあるあるネタ満載で、直腸陥没(※バンド名)大ピンチ。彼らも思わず推す、日本のメタルダンスユニット「BABYMETAL」が重要な役どころで出演し、迫力のパフォーマンス、愛らしい英語の台詞を披露。(映画ライター・高山亜紀) 映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。 構成/サンクレイオ翼