『少女殺人未遂』容疑 「特異な性癖」裁判で指摘された無期懲役服役中の男 18年前の事件で逮捕 なぜ今動き出したのか
■兵庫県で起きた2つの未解決事件 捜査の裏側
兵庫県内で起きた2つの未解決事件。 勝田容疑者が捜査線上にあがることはなかったのか。 関西テレビは当時の捜査幹部5人を取材。見えてきたのは検挙したくても踏み切れなかった捜査の裏側だった。 -Q.(「逮捕へ」の)報道を見てどう思いましたか? 元捜査幹部:朝、新聞を広げてびっくりした。落ち着かない一日でした。 こう語ったのは、たつの市の事件発生当時、捜査に当たっていた幹部。 たつの市の事件では、警察は事件後に現場付近で不審者が映った防犯カメラ映像を公開し、情報提供を呼び掛けていた。 元捜査幹部:住民が少ない地域だから、誰かはこの人間はこれだと分かるだろうと思っていたんです。とりあえず付近の人には全員見てもらった。でも何の反応もなかった。何のいい話もなかった。それで暗礁に乗り上げた。 目撃情報や物証が乏しく、捜査は難航した。 しかし、別の元捜査幹部らによると、加古川市での殺人事件では、2015年に姫路市での事件で逮捕された勝田容疑者が捜査線上に浮上していたという。 元捜査幹部:どう考えても怪しい。『勝田(容疑者)やろう』とあったけど、否認やし。証拠もない。怪しいけど打つ手がない。 元捜査幹部:犯行時間の“空白の5分”を、一課は埋められなかった。 足りなかったのは確実な証拠だった。2018年に、岡山県での殺人事件で勝田容疑者が逮捕されたときも… 元捜査幹部:勝田というのはポリ(=ポリグラフ検査 捜査で使う記憶の有無を調べる検査)にものすごく反応する。姫路の事件でもそれで検挙したから。ただ加古川の女の子の時だけ全く反応しなかった。そこだけがどうしても踏み切れないところ。 ことし5月ごろは否認していたものの、その後、勝田容疑者が関与を認め、18年の時を経て逮捕という大きな動きに。 当時の元捜査幹部が思うことは…。 元捜査幹部:今はかごの中、どんな心境の変化があったんやろか。 元捜査幹部:カメラの特徴が似てるだけでは逮捕状は出ませんから、今の一課は何か握ってるんでしょうね。 兵庫県警の関係者:捜査員は諦めずによく頑張った。 7日に逮捕され、被害者に対して「申し訳ないと思っている」と話した勝田容疑者。長年、未解決だった事件の真相は明らかになるのだろうか。