【MLB】 高まる「ダルビッシュ対山本」への期待感 地区シリーズで実現する可能性は?
日本時間10月3日、パドレスがワイルドカードシリーズでブレーブスを下し、ドジャースが待つ地区シリーズへの進出を決めた。この地区シリーズには、ここ数年大きな盛り上がりを見せているパドレスとドジャースのライバル関係の新章であり、大谷翔平ら日本人選手も多く登場することから、注目が集まっている。中でも注目を集めている要素のひとつは、パドレスのダルビッシュ有とドジャースの山本由伸による初めての投げ合いが実現するのではないかという点である。 【動画】山本と投げ合う可能性も?パドレスのエース格キングの12奪三振の快投 「ダルビッシュ vs. 山本」が地区シリーズの第2戦で実現するシナリオが現実味を帯びてきた。これはワイルドカードシリーズがパドレスの連勝で終わり、3戦目がなくなったことに起因する。パドレスはワイルドカードシリーズ第3戦に先発予定だったディラン・シースを、そのままドジャースとの地区シリーズ第1戦(日本時間6日)に起用することを発表。第3戦が行われてそこでシースが先発していれば、地区シリーズの第1戦はダルビッシュが先発を務めていた可能性が高かっただろう。しかし、シースを地区シリーズ第1戦に起用できる今、ダルビッシュは山本由伸の先発が予定される第2戦に先発する可能性が出てきた。 しかし、パドレスにはマイケル・キングという選択肢もある。今季31試合で防御率2.95、201奪三振と大活躍したキングはワイルドカードシリーズの第1戦(2日)も任され、7回無失点12奪三振の快投を見せた。そのキングは中4日で7日に行われる第2戦に先発可能だ。 以下では、プレーオフの日程とパドレスの先発投手の選択肢を示している(今日の第2戦で右肘の張りを訴えたジョー・マスグローブは一旦除外した)。ここから分かる通り、地区シリーズでは第2戦に起用した先発投手を、第5戦にも起用することができる。3,4戦目の前後にある移動日のおかげで、第2戦から第5戦までは中4日の間隔が空くためだ。 ◆プレーオフ日程 パドレス先発予想 第1戦(6日) ディラン・シース(発表済み) 第2戦(7日) マイケル・キングorダルビッシュ有 移動日(8日) 第3戦(9日) マイケル・キングorダルビッシュ有 第4戦(10日) マーティン・ペレス(ブルペンデー) 移動日(11日) 第5戦(12日) ディラン・シースorマイケル・キングorダルビッシュ有 休養日(13日) ナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦(14日) ここで、キングを第2戦に起用するメリットは、現状チームで最も頼れる投手を先発・リリーフの両方で、より多くのイニングで起用できる点にある。もし、パドレスはキングを第2戦で起用すれば、第5戦でシースとキングという2つの選択肢から先発投手を選べることになる。さらに、キングは中継ぎの経験も豊富で、第5戦にロングリリーフで待機させることも可能になるだろう。 一方で、ダルビッシュを第2戦に起用するメリットは、ドジャースに対して最も相性が良い投手を2回使える選択肢が開ける点にある。ダルビッシュはキャリアを通してドジャースに対して相性が良く、今季も3先発で防御率は1.72。他のパドレスの先発投手の中でも、マスグローブが7.00(2先発)、キングが3.10(4登板)、シースが3.38(2先発)と、際立って相性が良い。 また、ダルビッシュ起用のメリットは、キングの中4日の先発を回避できる点にもある。キングは今季中4日で先発した際は防御率3.97(11先発)と比較的苦戦したのに対し、中5日では2.09(13先発)で抜群の安定感を誇った。 したがって、キングとダルビッシュのどちらを起用したとしても、パドレスには十分なメリットがある。ここまでチームを導いてきたマイク・シルト監督の決断はいかに。ダルビッシュと山本の初マッチアップがプレーオフの舞台で実現することはあるだろうか。