石原さとみの新境地! 限りなく哀しくて愛しくて優しい魂の行方 『ミッシング』
ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」(日曜朝5時~)で、おススメの最新映画をご紹介しているコーナー『サンデー早起キネマ』。5月5日は、それぞれの時代に生きる人間の内面と真実に迫る3本をご紹介しました。 その1本は、石原さとみさんの新境地! 限りなく哀しくて愛しくて優しい魂の行方『ミッシング』。
幼い娘・美羽の失踪事件から3か月。ビラ配りなどあらゆる手を尽くしても見つかりません。帰りを待ち続ける母親の沙緒里は、少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦り、温度差のある夫にもイライラ、夫婦喧嘩が絶えません。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々でした。 そんな中、娘がいなくなった時、沙織里が推しアイドルのライブに行っていたことが暴露され、ネット上では“育児放棄の母”として、誹謗中傷の標的になってしまいます。ナーバスになった沙織里の言動は次第に過剰になり、心を失くしていきます。 一方の砂田も、局の上層部から、視聴者の興味を引く過激な内容を求められ、葛藤していました。その報道は、すでに失われた、沙織里や沙織里の弟・圭吾の日常をさらに追い詰めていきます。 そして2年後………再び同じ街で少女が行方不明に。彼女が見つかれば、美羽も帰ってくるかもしれない! 沙織里は「ただ娘に会いたい」という一心ですがり続けるのです。その先にある、光に……。
母・沙織里役は、自身も母親になり、この作品で新境地を切り開いた石原さとみさん。娘の失踪という人生のどん底で、SNSが炎上する苦悩……大幅に揺れる心を見事に表現しています。大きなキャリアがあるものの「飽きていた自分自身を変えて欲しい」と、石原さん自ら𠮷田恵輔監督にアプローチして出演が叶いました。監督にとっても、今までにない方向のキャスティングで、撮影中も手探り状態。大きな賭けとなりましたが、“勝った”と思ったそうです。
隣で支える夫・豊には青木崇高さん。後半、青木さんの涙にこちらも号泣。夫婦喧嘩も何気ないやり取りにもリアリティがある夫婦、誰もが共感できるのではないでしょうか。 他に、弟の圭吾に森優作さん、テレビ局の記者・砂田に中村倫也さんなどが脇を固めます。