カターレ11年ぶりJ2復帰 上市出身の碓井、終了間際に同点弾 プレーオフ決勝、松本と分け歓喜
サッカーJ3のカターレ富山(3位)は7日、J2昇格プレーオフ決勝で松本山雅FC(4位)に2-2で引き分け、リーグ上位が勝者となる規定により、11年ぶりのJ2復帰を決めた。松本に2点を先行されたが、上市町出身のFW碓井聖生が後半追加タイムに劇的な同点ゴールを挙げた。富山県総合運動公園陸上競技場(県総)には今季最多の1万1847人が駆けつけ、歓喜の瞬間に震えた。 【写真】後半追加タイムの同点ゴールに沸くカターレの選手とサポーター カターレは0―2で迎えた後半、35分にヘディングで1点を返した碓井が追加タイムに再び頭で合わせ、J2の切符をつかんだ。試合終了のホイッスルが鳴ると、選手は抱き合い、スタッフらと喜びを分かち合った。 ●小田切監督「お待たせ」 小田切道治監督はサポーターに対し、「11年お待たせしました」とあいさつ。昨年、同じ県総で昇格を逃した悔しさを胸に刻んだ今季、「選手には今年は感動と歓喜を県総にもたらそうと話していた。皆さん、ありがとう、おめでとうございます」と感極まった表情を見せた。 試合後の祝勝会で、左伴繁雄社長は「来季に向けて頭は切り替わっている」ときっぱり。今季は覚悟をスローガンに掲げて目標を成し遂げ、「『覚悟』は2年やる。J2で20番目のクラブであると受け止めて、戦っていく準備をする」と話した。 カターレ富山は日本フットボールリーグ(JFL)のアローズ北陸とYKK APが統合して誕生。2008年のJFL参入1年目でJ2昇格を決め、北陸三県で初のJクラブとなった。14年にJ2で22チーム中最下位となり、J3に自動降格。23年は得失点差でJ2自動昇格の2位を逃し、過去最高の3位だった。 発足17年目の今年はスタートダッシュこそ出遅れたものの、中盤から順位を上げ、第26節以降は3位を維持。ホームでは開幕16試合連続無敗の記録をつくり、今季から導入された昇格POで頂点に立った。 1年でのJ2復帰を狙ったツエーゲン金沢は12位で終えたため、カターレ富山が北陸で唯一のJ2クラブとなる。