〈春キャベツと豚肉のオイスター炒め〉で代謝アップ!1品でできるスローダイエット|管理栄養士監修
スローダイエットの最大の目的は、代謝を上げることです。胃の消化力低下は代謝を下げます。食べたものは胃に、液体で30分以内、果物や野菜で30~60分、穀物で1~2時間、タンパク質で2~3時間、脂肪で3~5時間ぐらい貯留されます。朝食の消化が終わったら、すぐに昼食の消化が始まる…… 胃への負担は莫大です。本記事では消化を助けるキャベツを使ったレシピを紹介します。消化機能を高め、代謝アップを目指します。 ◆写真で詳しいやり方を見る|〈春キャベツと豚肉のオイスター炒め〉材料と作り方 ■やさしい胃腸薬〈春キャベツ〉を使ったスローダイエット スローダイエットの最大の目的は、代謝を上げることです。胃の消化力低下は代謝を下げます。 ■■代謝を支える胃の働きとは? 口と小腸を結ぶ胃。胃の主な働きは、食べ物を消化することです。消化がうまく行えなければ、食べた物は栄養になりません。そのほかにも、口から侵入してきた細菌を殺したり、食べ物中の鉄やビタミンB12を吸収しやすい形に変えたりする働きもあります。 食べ物の消化には、大きなパワーが必要です。胃での貯留時間の目安は、液体で30分以内、果物や野菜で30~60分、穀物で1~2時間、タンパク質で2~3時間、脂肪で3~5時間ぐらいと考えられています。朝食の消化が終わったと思ったら、すぐに昼食の消化が始まる…… と、このような状況を繰り返していると、胃は疲れ果てて、消化不良や食欲不振、便秘、お腹のハリなどをもたらしてしまうでしょう。胃もたれで、消化負担の大きいタンパク質を避けだすと、消化酵素の材料であるタンパク質も不足し、さらに消化力が低下するという負のスパイラルが始まります。さらに胃の機能が低下すると、鉄やビタミンB12不足ももたらすでしょう。必要な栄養素の不足は、代謝を低下させます。 ■■キャベツの栄養を効率的にとるための調理ポイント キャベツは、やさしい胃腸薬として活用できます。実際、キャベツに含まれるビタミンU(別名:キャベジン)には胃粘膜組織の修復や、胃液の過剰分泌を抑える働きがあり、胃薬にも用いられているものです。 ビタミンUは水溶性ですので、効率的にとるためには、ゆで調理はおすすめしません。ゆでる場合は、ゆで汁ごと食べられる味噌汁やスープとして、いただきましょう。また、春キャベツはやわらかい芯まで食べられます。じつは、芯の部分は葉の部分よりもカルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラル分が豊富に含まれているのです。 ■タンパク質20g&野菜150gとれる〈春キャベツと豚肉のオイスター炒め〉 本記事では、1食に必要なタンパク質と野菜がとれる簡単レシピを紹介します。今月は、春のやわらかなキャベツと豚肉のオイスター炒めです。 ■■材料・作り方 ・キャベツ 1/6玉分 ・豚こまぎれ肉 100g 合わせ調味料(オイスターソース、醤油、みりん各小さじ1、しょうが汁小さじ1/2) 1)キャベツを3cm角ぐらいの大きさにざくぎりする。 2)フライパンに油小さじ1を熱し、豚こまぎれ肉を広げて両面焼く。 3)2に1のキャベツを加えて1分ほど強火でさっと炒める。 4)合わせ調味料をフライパンに回し入れてさっと絡める。 ■■栄養価(1人分) エネルギー:308kcal タンパク質:22.2g 脂質:19.8g 糖質:9.5g 食物繊維:3.8g ※日本食品標準成分表2020年版(八訂)にて、計算しています。 ■■おいしく作るための2つのポイント ①キャベツを豚肉の脂で炒める そのために、豚肉を広げて、フライパンに焼き付けるようにして脂を出します。 ②キャベツを入れたら、強火でサッと仕上げる まだフレッシュ感が残るぐらいのタイミングで、あらかじめ混ぜ合わせておいた調味料を一度に加えます。火を通しすぎると、キャベツの水分が出て、ベチャッとした野菜炒めになってしまいます。 ■参考:スローダイエットのルール 短期間で大きな効果を上げようとする〈ファーストダイエット〉には、リバウンドがつきものです。そのため、代謝アップがカギを握る40代以降のダイエットには不向き。ファーストダイエットをすればするほど、結果として太りやすくなってしまうのです。リバウンドを生じさせないためには〈スローダイエット〉を無理なく続けることが求められます。スローダイエットで心がけるのは以下の2点のみです。 ①何を食べる:糖質単体の食事にせず、タンパク質と野菜を組み合わせる ②いつ食べる:寝る3時間前までには、食事を済ませる ■■タンパク質量:20g タンパク質は筋肉の材料として代謝を維持するだけではなく、代謝酵素、消化酵素、ホルモンなどの材料としても、深く代謝に関わっています。タンパク質の必要量は人によって異なりますが、厚生労働省が推奨する1日の摂取量は、成人男性で65g、女性で50gです。これを3食で分けると、タンパク質をしっかり摂りづらい朝・昼食で各15gずつ、夕食で20gを目指すことで、無理なく確保できます。 20gのタンパク質摂取は、筋肉の合成を促進するのに効果的な量であるとともに、胃腸への負担が少なく、効率的に消化吸収できる量です。さらには、20g程度のタンパク質を摂取すると、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。 ■■野菜量:100~150g 厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取目標量は350gです。これは、必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を十分に摂取するためには、1日あたり350g以上の野菜が必要とされているからです。これを3食で分けると、野菜をしっかり摂りづらい朝・昼食で各100gずつ、夕食で150gを目指すことで、無理なく確保できるでしょう。 ビタミン、ミネラルが不足すると代謝がうまくすすみません。また、食物繊維は腸内環境を整えることでスローダイエットを支えるでしょう。 ライター/石松祐梨(管理栄養士)
石松佑梨