「腹筋している時が一番頭に入りやすい」…女優歴1年半・幸澤沙良が明かす「長ゼリフを覚えるコツ」
「これじゃあ、権力者はやりてぇ放題じゃねぇか! なんぼ、はんかくせぇば!」 主人公の女子高生弁護士・桜木みやびが放つ青森弁の長ゼリフが話題となった4月期のドラマ『JKと六法全書』(テレビ朝日系)。権力者に敢然と立ち向かい、バディの弁護士を「OYG(オヤジ)」呼ばわりするみやび役を演じた幸澤沙良(18)は、「普段の私とは全然違う、とにかくエネルギッシュな主人公でした」と振り返る。 【フレッシュ!】かわいい…!『JKと六法全書』で主演を務めた 幸澤沙良「素顔写真」 「たとえば驚いた時、自分なら『えっ』ってなるところを、みやびは『えぇぇ!』ってなります(笑)。それくらいエネルギー量が違うから、3段階くらいギアを上げて演じるよう意識していました。母は、素の私をよくわかっているから、今回のドラマを見て『よく頑張ったね』と言ってくれました」 バディの弁護士役を演じた大東駿介(38)は同作の取材会で、「とんでもない長ゼリフでも、彼女がトチっているのを見たことがありません」と幸澤を絶賛していたが、当の本人は「みんなの支えがあったから」と謙遜する。 「みやびは感情が高ぶると故郷の青森なまりが出てくるのですが、そこが一番苦戦しました。撮影前に方言指導の先生からセリフの音源が届くので、移動中も寝る前もひたすら聴きました。 青森弁で話しながら演技もしないといけないので、何も考えずに青森弁が出るようになるまで、何度も何度も繰り返しました。監督や共演者の皆さまから助言をいただいたり、母に台本の練習につきあってもらったり、いろんな人の支えがあったから、無事に務め上げることができたんです」 本作は幸澤にとって2作目となる主演ドラマ。撮影を終え、演技に対する考えがさらに深まったという。 「大東さんのアドバイスで、セリフの意味をよく考えるようになりました。第5話でみやびは奨学金を返済するために犯罪に手を染めた女性の弁護をするのですが、奨学金を勧めた先生に『子供を借金漬けにした犯人はあなたです』と問い詰めるシーンがありました。先生だけではなく、若い人を結果的に追い詰めることになってしまうシステム全体に問題があることを意識し、テレビの向こう側の人に向けてそう伝えるつもりで、心を込めて演じました」 FRIDAY記者をまっすぐ見つめてそう語った後、ふと18歳の素顔がのぞいた。長ゼリフをどう覚えたのかを聞いた時だった。 「今回の作品でコツを見つけたんですよ。筋トレをしながら覚えればいいんです(笑)。どんな苦しい状況でもセリフが出るように、筋トレで追い込み、息切れして頭がまわっていない状態でセリフを覚えるようにしています。自重で腹筋やスクワット、背中のトレーニングをしていて、最初はとても辛かったけど、練習を重ねることによってできる回数が増えて達成感があります。腹筋している時が一番、セリフが頭に入りやすいかもしれません」 幸澤が見せた爆発力のある演技は、彼女がまだデビュー2年目であることを忘れさせる。幸澤は’22年、芸能活動未経験で公開オーディション番組『私が女優になる日――』シーズン2に挑戦。5500人の応募者の中から見事、グランプリに選ばれた。半年におよぶオーディションの最中、自身に起きたある変化が、彼女を女優への道に導いてくれたという。 「実は女優になる夢を諦めるために、オーディションに参加したんです。だから審査に合格しても『こんな私でいいのか』とずっと不安でした。そんな自分が変われたのは、仲間ができたから。一緒にオーディションを受けていた子たちとは、最初はライバル意識があってあまり交流がなかったのですが、グループに分かれてミニドラマをやることになった時に初めて、一緒に頑張ろう、私ももっともっと頑張ろうと、ポジティブな気持ちになれたんです。意欲的に取り組めるようになったターニングポイントだったと思います」 憧れの存在は、同番組のシーズン1でグランプリを獲った飯沼愛(20)だという。 「演技未経験でもグランプリになれた飯沼さんを見て、私も挑戦してみようと思えた。いつか私も、誰かに勇気を与えられるような女優になりたいです」 「狂気を感じる役にも挑戦してみたい」というのが今のところの抱負だ。爆発力が武器の18歳は、筋トレしながら次回作を待つ。 ◆こうざわ・さら/’05年9月生まれ。神奈川県出身。’22年10月期ドラマ『差出人は、誰ですか?』(TBS系)の主演でデビューし『相棒 season21』(テレ朝系)、『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレ朝系)に出演。主演作『JKと六法全書』は現在TELASAで全話配信中 『FRIDAY』2024年6月28日号より
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