南野陽子の「根の部分を立てる」新舞台?「気が強いイメージが…」
ドラマ『半沢直樹』で「電脳雑技集団」の社長夫婦役を演じた南野陽子と土田英生が、公立劇場「兵庫県立芸術文化センター」(兵庫県西宮市)のプロデュース作品『神戸の湊、千年の交々(こもごも)』で、俳優&作・演出家としてタッグを組むことに。10月に2人が会見をおこない、お互いの印象や舞台の内容について語った。 ■ 南野が称賛「土田マジックです」 取材会の開始早々、「『半沢直樹』で、ちょうど会見(の撮影)をしましたよね」と笑いあった南野と土田。ドラマ収録後もスピンオフ企画などで交流があり、2022年には土田が作・演出を手掛けた『アネト』に南野が出演した。南野は土田の作品について「最初は『ふざけてるの?』と思った話が、急にカーンと視界が広がって、終わった後は自分に置き換えて考えることになる。土田マジックです」と称賛する。 『神戸の湊・・・』は、「イオンモール神戸南」(神戸市兵庫区)を訪れた中年夫婦が、歴史好きの夫の解説を通じて、1000年の間にこの土地で起こった様々な出来事を振り返っていく物語。奈良時代から現代に至るまでの、神戸湾岸の激動の歴史を見つめ直すうちに、夫婦がひそかに抱えていた問題にもスポットが当たっていく・・・という仕掛けになっている。 ■ 神戸港は「父とよくデートに」(南野) 土田は「定点観測に興味があって、大輪田泊(現神戸港)があった辺りを、現代から過去までさかのぼって描けたらと思いました。人間というのは、良くも悪くも1000年前から変わらないなあ、と思っていただけたら」と内容を明かし、南野が演じる主婦の役は「南野さんは、世間では気が強いイメージがあると思いますけど、実際は細やかで人に尽くす方。その根の部分を、あえて立てた役にしました」と、素顔を反映したそうだ。 神戸港は「父とよくデートしに来ていました」と語る南野は、脚本について「ファンタジーでおもしろいけど、1000年経っても解決しない問題ってあるんだなあと。でもそれを解決したいから、がんばって生きましょう! と思える、すごく前向きな作品」と感想を語る。 続けて、「私は友達に真剣に声をかけるタイプではないんですが、今回は『絶対観てほしい!』と言ってます。神戸の人も、そうじゃない土地の人が観てもおもしろいのに、なぜ(公演が)一回こっきりなのか? と思います(笑)」と、見逃し厳禁の気持ちをあふれさせていた。 夫役は、兵庫県出身のベテラン俳優・大谷亮介。土田が主宰する劇団「MONO」のメンバーをはじめとする関西の俳優たちと、オーディションで選ばれた一般の人々も出演する。公演は12月7日に「兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール」にて。チケット料金は一般4500円、25歳以下は2000円で、現在発売中。 取材・文・写真/吉永美和子