「なんでMCなんてやってるんだろう」芸能活動42年の中山秀征(56歳)が“悩んだ過去”を告白
回り道をしたからこそ、見えるものがある
中山:目標が山の頂上だとしたら、そこに行く方法は一直線に登るルートだけじゃない。遠回りしたっていいじゃないですか。どこから回ってもいいんです。本当は僕だって最短で行きたいですよ。だけど、向いてないっていうから横に行く。そこでも向いてないっていうから今度は裏に行ってみる。すると案外、こっちの景色もいいじゃないかと。回り道をしたからこそ見えるものがある。 登ってさえいれば、どんな回り方をしたって目標に向かっていることは変わらない。結果、いろいろやってきた人のほうがいろいろな能力を身につけているところがあるものだしね。
20代でMCをするようになった時の葛藤
――20代のうちからMC、司会として頭角を現しますが、それも予定にはなかった? 中山:全くなかったです。20代前半ぐらいの頃は、僕は「スター」としてインタビューされる側になりたいのに、なんで人の話を聞くほうになるんだっけって思っていたぐらい(笑)。 しかも今でこそ芸人もアイドルもMCやりたいって言うけど、僕がMCをするようになった時、最初結構言われましたよ。「(あれこれやっていて)何をしたいのかわからない」「自分がない」とかね。 ――自分の意思とは裏腹にMCとして引っ張りだこになるなかで、ご自身で手応えを感じたことは? 中山:人の話を聞くことが僕は嫌いじゃないなって、思うようになりましたね。人の話って自分にないものがあるから、勉強になるんだよね。そうやって人の話を聞く面白さに気づいてから、ハマったかもしれない。回り道をしたから見えた景色かもしれないよね。
芸能界を生き抜いてこれた理由は「人見知り」
――MCにもいろんな方がいますが、中山さんのMCのスタイルとは? 中山:まず僕、すごく誤解されている気がするんです。僕って人当たりが良くて、世渡りがうまくて、社交的で八方美人、みたいなイメージがないですか? ――違うんですか? 中山:本当の僕はめちゃめちゃ人見知りだし、不器用なんです。極力目立たないように、相手の意識に入らないように振る舞う。呼ばれたら行くけど、自分から進んで輪の中に入っていくなんてとんでもない。 ……でも、だからこそ今まで芸能界で生きてこれたのかなと思うこともあって。