「かつては余ることを厭わなかったが…」ロケ弁の質低下に見る地上波テレビ局の「苦渋の選択」
木南晴夏(38)が「映画 おいハンサム!!」の舞台挨拶でロケ弁の質の低下に物申し、物議を醸した。 【思わず二度見!】か、可愛い……吉高由里子が「JK姿でロケ弁かきこみ!」衝撃写真 「作品名にちなみ、″おい○○!″というテーマでトークをするコーナーで、″事件″は起きました。何でも、箱が4つに仕切られていて、うち2つが白飯で残りが漬物とソーセージという弁当が出たことがあったそうで……。この発言が記事になるや、″文句があるなら自分で用意すればいいのに″という怒りの声でネットが荒れました」(スポーツ紙記者) ただ、テレビ業界におけるロケ弁のプレゼンスは高く、制作会社ディレクターによれば「弁当選びのセンスがいいスタッフは出世する、とまで言われており、そのプロセスは漫画にまでなってますよ」という。 「収録日はスケジュールに追われるので、ロケ弁ぐらいしか楽しみがないという現場も少なくありません。残念なロケ弁だと現場の士気が下がるのは事実。木南さんが例に挙げたような弁当が出てきたら、誰でも苦言を呈したくなるでしょうね」 一方で、キー局プロデューサーはロケ弁の質の低下を認めた上で、「制作サイドの苦渋の決断」だと苦笑する。 「かつては余ることを厭わず、和と洋、肉と魚など、数種類用意していました。残ってもADたちが持って帰って食費を浮かすことができますから。しかし、制作費が削減されてしまった昨今、キッチリ人数分しか注文しません。ルールも細かく決められています。例えばドラマなら、朝食は朝7時までに出発する現場だけ。夕食は夜8時過ぎまで撮影を行う現場だけ。 ロケ地の都合で、弁当が用意できない場合は個々で用意してもらってレシートで精算するのですが、上限は1000円です。こっちも好きで質を下げている訳ではない。ギリギリの予算でやっているので理解して欲しいですね……」 芸能プロ幹部も「弁当を用意してもらえているだけマシでしょう」と首を垂れる。 「ロケ弁がない現場も増えてきていて、スーパーの割引シールが貼られたおにぎりやお惣菜が用意されていたこともあります。それでも、キー局はマシなほう。ローカル局だと″お昼はナシ、夜はコンビニのおにぎり″というのが定番だったりしますからね」 この幹部は「ロケ弁の質の低下はコロナ禍で一気に進んだ」と見ている。 「テレビとインターネットの広告費が逆転した’19年頃からその兆候はありましたが、コロナ禍以降は少ない予算から、マスクやアルコール消毒液なども用意しないといけなくなったため、ロケ弁にモロにシワ寄せがきました。バラエティは隔週収録が基本ということもあってまだ豪華なほうですが、ドラマは毎日朝から晩まで撮影するし、スタッフや出演者ら人数が多いから、どんどん″質素″になっています」 順調に広告が入っている配信番組や、制作費が潤沢なネット系番組は食事も豪華だという。 「叙々苑の焼肉弁当を用意してくれたりしますからね。地上波より配信やネット番組をやりたがるスタッフが多い一因になっています」(放送作家) 胃袋を掴むのも大事なのである。 『FRIDAY』2024年8月9日号より
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