三笘薫とソン・フンミン「日韓7番対決」はトッテナムに軍配 悔やまれる「最後の選択」
アディショナルタイムは6分。攻勢はブライトンで、三笘にはいい形で2度ボールが回ってきた。95分のシーンは対峙するポーロを前に、切り返しの段で足を滑らせてしまう。直後に訪れた2度目のシーンでは、前方にスペースがあったにもかかわらず縦勝負を断念。中央にボールを戻した。その強引ではない、ある意味で三笘らしいプレーに若干の物足りなさを覚えていた時だった。三笘とピッチの対角で構えるソン・フンミンにボールが渡った。 リシャルリソン(ブラジル代表)からパスを受けたソン・フンミンは、トップスピードに乗ると最深部に進出。左足でマイナスの折り返しを送ると、ファーサイドでブレナン・ジョンソン(ウェールズ代表)がこれに反応。決勝ゴールを叩き込んだ。 決定的なアシストを決めたソン・フンミンと、そのおよそ20秒前に、縦勝負を避けた三笘。まさに最終盤の攻防で、両者の明暗はハッキリと分かれた。三笘が縦勝負を決めていれば、少なくとも逆転弾を決められることはなかったのではないか。 この結果、ブライトンは9位に後退。スパーズは暫定ながら4位に上昇。CL圏内に順位を上げた。三笘の最後選択が悔やまれる一戦だった。
杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki