韓国中銀、景気抑制的な金利水準を維持-政策転換の後ずれ示唆
(ブルームバーグ): 韓国銀行(中央銀行)は23日、政策金利を据え置くことを決め、しばらくの間はタイトな金融政策を維持する可能性を示唆した。輸出の増加と消費の回復を背景に韓国経済は予想以上に堅調なペースで推移している。
韓国銀行はこの日の金融通貨委員会で、政策金利である7日物レポ金利を3.5%に据え置いた。これは同中銀が景気抑制的と見なす水準。ブルームバーグが調査したエコノミスト21人全員が政策金利の据え置きを予想していた。
1-3月(第1四半期)の経済成長率が予想を上回ったことを受け、同中銀は、今年の成長率予想を上方修正した。李昌鏞総裁はこの日の会見で、「利下げの時期に関する不確実性はより大きくなった」と指摘。「インフレ率が目標水準に収束すると確信するにはより多くの時間が必要だ」と語った。
韓国経済、1-3月成長率は予想上回る-半導体需要で輸出の伸び加速
韓国銀行は声明で、インフレの鈍化傾向は続くと予想されるものの「物価見通しの上振れリスクが大きくなっているため、物価が目標水準に収束すると確信するのは時期尚早だ」とした。
李総裁は先月、景気に関する今月の再評価が年内の政策立案に極めて重要だとの見解を示していた。ブルームバーグ集計のアナリスト調査によると、韓国経済は今年2.5%拡大すると予想されている。
韓国銀行はこの日、今年の経済成長率予想を2.5%に引き上げた。2月時点の予想は2.1%だった。インフレ率については今年が2.6%、来年は2.1%との見通しを維持した。
信栄証券の債券アナリスト、チョ・ヨング氏は「これら予測は理にかなう」と指摘。「年内利下げを妨げるものには見えない」と述べた。
中銀の決定に市場は落ち着いた反応を見せた。通貨ウォンは小幅安、債券先物はやや上昇した。
原題:Bank of Korea Stands Pat and Signals Pivot May Be Pushed Back(抜粋)