「妖怪ウォッチ2 真打」発売 ── 行列の家族たちにドラマあり
空前の人気で社会現象にもなっている人気キャラクター「妖怪ウォッチ」。ニンテンドー3DS専用ソフト「妖怪ウォッチ2 真打」が13日、全国発売された。大阪市中央区千日前のビックカメラなんば店では、販売開始の午前8時までに、約30人が並んだ。わが子に内緒のクリスマス・プレゼント。家族3代で寒さに耐えて手に入れる喜び。一本のゲームソフトに、それぞれの家族のドラマが宿っていた。
わが子にも並んで耐える試練を
一番乗りの男性は早朝5時半に到着。ゲームソフトは小3長女へのクリスマス・プレゼントだ。男性自身、幼いころ「ドラゴンボール」のファンだったため、「妖怪ウォッチ」の人形やメダルで夢中になって遊んでいる長女に、理解を示す。 男性には頼もしい仲間がいる。「6歳の弟の方が、僕と同じ『ドラゴンボール』好きなので、悟空の話などで盛り上がっています」。アニメやゲームをテーマに、世代を超えて親子の会話が弾む時代を迎えている。 午前5時過ぎの始発電車に乗って、同市内東部からやってきたのは、祖母、娘、孫の3世代家族。小4男児はゲームソフトの他、メダルや消しゴムなど、「妖怪ウォッチ」グッズをたくさん持っている。 欲しいグッズを入手するために並ばなければいけないときには、大人だけではなく男児も並ぶのが、家族の流儀だという。母親は「大人になって携帯電話の購入時などに並ぶ機会があると思うので、そのための予行練習です。苦しさに耐えて手に入れると、ありがたみが分かって大事にしてくれますし」と、教育的効果を強調していた。
「サンタがくれた妖怪ウォッチ」
同市西区在住の女性は小5男児のために駆け付けた。11日夜、男児がクリスマス・プレゼントに「『妖怪ウォッチ』のゲームソフトがほしい」とつぶやいた。女性は「サンタさんにお願いしてみたら」と話しかけながら、入手方法に思いを巡らす。 翌日、心当たりに問い合わせると、予約受付の締め切りがすぎていた。ようやくビックカメラで、予約なしでも購入できるとの情報をつかんだ。 13日早朝、男児が寝ている間に、ひとりで自宅を出発。男児の姉にだけ事情を打ち明け、男児の世話を頼んだ。購入したゲームソフトは、クリスマスまで隠しておく。「うちの子は、まだサンタさんを信じていますから」という親心からだ。 イブの24日夜、男児が眠りについてから、ゲームソフトを枕元にそっと置く。25日朝、男児が目覚めると、「サンタがくれた妖怪ウォッチ」に気づく。この一瞬のために、母親は底冷えする寒さに耐えていた。