競馬専門紙「優馬」佐藤直文のレース回顧

見事な立ち回りで7番人気マテンロウスカイが重賞初制覇

　前半1000m通過が58秒6。稍重発表としては少し速めの流れだったが、良馬場でも道悪でもインが断然有利となる開幕週の馬場では、外を回って差す馬に出番がなかったのも仕方はない。 【レース動画】中山記念　優勝：マテンロウスカイ（横山典） 　マテンロウスカイは、絶好位と言える好位のイン3番手を自分のリズムで追走。キレ味不足の馬にとっては理想的な少し時計のかかる馬場も追い風に、直線でアッサリと抜け出しての完勝だった。折り合いに難のある馬だったが、去勢の効果と横山典騎手が控える競馬を教えてきたことが、脚を溜めやすいコーナー4回の舞台で実を結んだと言えよう。セン馬だけに、まだまだ長く活躍できるはずであり、今後も条件さえ揃えば目が離せないだろう。 　2着ドーブネは、これまた瞬発力勝負となっては分が悪いだけに、少し速めのラップの逃げでもむしろ理想的な流れだったか。 　3着ジオグリフは、道中でロスなく立ち回れたことで、久々に存在感を示すことができたが、復調の気配を窺わせるには十分な内容だった。 　4着ソールオリエンスは、けっして1800mが距離不足の馬とは思えないが、久々の距離だったこともあってか行きっぷりが悪く、勝負どころから外を回って追い上げる形では仕方のない結果。ただ、負けはしたが今後に繋がる競馬ではあった。 　エルトンバローズは、今日のような馬場は合わなかったと見ていいが、押しても叩いても進みが悪く、気持ちの面で整っていなかったかもしれない。