名作『ゼビウス』の「謎」は今も存在!? 伝説の「1000万点プレイヤー」が全16エリアに再挑戦
■『ゼビウス』が及ぼした大きな影響
「ゼビウス大解析」が連載された『ベーマガ』は、もともとパソコン用ゲームプログラムの掲載や、プログラミング講座を柱とした、教育色が強い雑誌でした。編集部のあった電波新聞社出版部にはソフトウェア部門もあり、パソコン用『ゼビウス』制作の企画が出たものの、誰も全エリアを見たことがなかったそう。そこで模範演技のために、『ベーマガ』大橋編集長が、『ゼビウス』生みの親であるナムコの遠藤雅伸さんからの紹介で、大堀さんをスカウトしたのだとか。 ちなみに、遠藤さんが大堀さんを知っていたのは、大堀さんが同人誌『ゼビウス 1000万点への解法』を作る際、ナムコに電話したのがきっかけでした。当時、『インベーダーゲーム』のコピーに対する訴訟で、ゲームの映像に権利が認められたことを知り、大堀さんは『ゼビウス』の許可を取ろうとしたそうです。そして、「対応してくださったナムコ古川係長から“ファンの子どもが作る本を訴えたりしない”との許可をいただいたのと合わせて、ご厚意で開発の方を紹介いただきました」(大堀さん)のだとか。その行動力にはビックリですよね。 ともあれ、それを発端に「ゼビウス大解析」の連載が決まり、『ベーマガ』はゲームの紹介・攻略記事が充実。その後、ゲームライターが次々とデビューすることになります。イベントで大堀さんはこの縁を「(当時の『ベーマガ』や大橋編集長が)ゲームプログラムを学ぶひとだけでなく、ゲームで遊ぶひとにもフォーカスしてくれた」「それが僕らの仕事や、eスポーツにもつながって、現在がある」と表現しました。その縁結び役が『ゼビウス』だったワケです。 作品自体がすばらしかった『ゼビウス』ですが、プレイヤーの未来やゲームカルチャーなど、周辺に与えた影響もまた、スゴかったのです。
櫛田理子