1枚の名画を巡る駆け引き描く 『オークション ~盗まれたエゴン・シーレ』2025年1月公開
エゴン・シーレの名画「ひまわり」を巡る実話にインスパイアされたフランス映画『Le Tableau volé(原題)』が、『オークション ~盗まれたエゴン・シーレ』の邦題で2025年1月10日より、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国公開されることが決定した。 【写真】『オークション ~盗まれたエゴン・シーレ』 場面写真 2000年代初頭、フランス東部スイス国境近くの工業都市ミュルーズ郊外の若い工員の家でひまわりを描いた風景画が見つかり、それがナチス・ドイツに略奪されたウィーン分離派の流れをくむエゴン・シーレの作品であることが判明。本作は、この歴史的事実に基づき、美術オークションの世界の駆け引きをドラマチックかつスリリングに描いた。 パリのオークション・ハウスで働く有能な競売人(オークショニア)、アンドレ・マッソン(アレックス・リュッツ)は、エゴン・シーレと思われる絵画の鑑定依頼を受ける。シーレほどの著名な作家の絵画はここ30年ほど、市場に出ていない。当初は贋作と疑ったアンドレだが、念のため、元妻で相棒のベルティナ(レア・ドリュッケール)とともに、絵が見つかったフランス東部の工業都市ミュルーズを訪れる。絵があるのは化学工場で夜勤労働者として働く青年マルタン(アルカディ・ラデフ)が父亡き後、母親とふたりで暮らす家だった。現物を見た2人は驚き、笑い出す。それは間違いなくシーレの傑作だったのだ。思いがけなく見つかったエゴン・シーレの絵画を巡って、さまざまな思惑を秘めたドラマが動き出す。 監督を務めたのは、ジャック・リヴェットの脚本を数多く手がけ、アガサ・クリスティの『ホロー荘の殺人』を映画化した『華麗なるアリバイ』の監督を務めたパスカル・ボニゼール。一流の衣服を身にまとい、高級車を乗り回しているが、実は熱血漢の競売人・アンドレを演じるのは、小説家や映画監督、そしてお笑いタレントとしても活躍しているアレックス・リュッツ。アンドレの元妻で頼もしい仕事の相棒だがいつも恋を求めているベルティナを、2017年に『ジュリアン』でセザール賞主演女優賞を受賞したレア・ドリュッケール、アンドレの部下となる研修生オロールを、フィリップ・ガレル監督作『涙の塩』などに出演したルイーズ・シュヴィヨット、そしてエゴン・シーレの絵を発見する、思慮深く謙虚で高潔な工場労働者マルタンを、スイス出身でフランスではほとんど無名ながらも大抜擢された新人アルカディ・ラデフが演じた。 あわせて予告編と本ビジュアルも公開。予告編には、マルタンからの手紙を受け取り、贋作と疑いながらも向かった現地でエゴン・シーレの名画「ひまわり」の実物を目にし、興奮した様子のアンドレとベルティナ、研修生オロールの姿が映し出されている。 本ビジュアルには、絵画に囲まれた場所を颯爽と歩くアンドレの姿が大きく捉えられている。
リアルサウンド編集部