少女雑誌で人気を博した挿絵画家、藤井千秋を紹介/愛知
透明感ある清楚な少女像を描き、戦後の乙女たちに夢や憧れを与えた画家・藤井千秋。刈谷市美術館(刈谷市)では、9月20日~11月9日の期間中「藤井千秋展」を開催する。 大正から昭和期にかけて少女雑誌で人気を博した抒情画。岐阜県加茂郡白川町で生まれた藤井千秋(1923-85年)は、抒情画の正統派画家として『少女の友』『女学生の友』といった当時の代表雑誌の看板作家として活躍。少女雑誌の口絵や挿絵、レターセット・カードなどの付録を手掛けた他、『にんぎょひめ』『赤いろうそくと人ぎょ』など名作童話の絵本を発表し人気を集めた。千秋の描く透明感のある清楚な少女像は、現代でも多くの作家・アーティストに影響を与えている。 同展では、『少女の友』『女学生の友』の原画や付録、メルヘンチックな幼年向けの絵本の原画などを展示。漫画が少女雑誌を席巻し始めた当時、エレガントで華やかな抒情の魅力を発信し続けた千秋の仕事を余すところなく紹介する。