水泳教室が週1回で月8000円。昔はもう少し安かったように思うのですが、負担を軽減する方法はありますか?
「子どもが習い事をやりたいと言うので調べてみたら、イメージよりも月謝が高くて驚いた」という経験がある人も多いのではないでしょうか。物価の変動にともなって、習い事の費用も年々変化しています。 本記事では、スポーツ系の習い事全般や水泳教室の月謝について、政府統計の数字をもとに平均金額がどのように推移してきたかを解説するとともに、自治体が実施する習い事の助成事業についても紹介します。
小学生がスポーツを習うのにかかる費用は上昇している
まずは、スポーツ系の習い事全般の費用について見てみましょう。文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」によると、2018年度から2018年度までの子ども1人当たりのスポーツ・レクリエーション活動の月謝等の推移は、図表1のとおりです。 【図表1】
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より筆者作成 公立小学校に通う子どもでは、2008年度には約3万9000円であったものが、2016年度には約4万7000円まで上昇しています。2018年度は前回調査と比べて金額が下がったものの、2008年度と比較すると約3000円のプラスです。 私立小学校のほうは、2008年度には約5万7000円であったものが、2014年度には約7万1000円と1万5000円近く上昇しています。2016年度、2018年度は金額が下がっていますが、それでも、2008年度と2018年度を比較すると約1万2000円ものプラスとなっています。 同調査で芸術文化活動の月謝が公立小学校、私立小学校ともに2008年比で下がっているのとは対照的です。
水泳教室の月謝は20年間で3割以上の上昇
水泳教室の月謝は、どのような推移を見せているのでしょうか。図表2で、総務省「小売物価統計調査(動向編)」の結果をもとに、東京都区部の過去20年間の水泳教室の平均月謝の変動を、5年おきにまとめました。 【図表2】
※総務省「小売物価統計調査」より筆者作成 2003年には6000円台であった水泳の平均月謝が、少しずつ上昇を続け、2023年には8000円台となっています。この20年間で3割以上も値段が上がった計算になります。 とくに近年は働き手不足による人件費の上昇、ガス・光熱費の高騰による維持費の上昇を転嫁するために、月謝を上げざるを得ない水泳教室が多いようです。