「高校生レベル」と揶揄された大谷翔平 “進化”の舞台裏をMLB通算703HRの伝説打者が告白「彼はど真ん中も打ち損じていた」
夢の球宴で存在感を示した大谷翔平(ドジャース)。いまや球界で知らぬ人はいないほどのスーパースターとなった30歳だが、メジャーリーグで“覚醒”を遂げていく道程は、決して平たんなものではなかった。 【動画】球宴でこんなシーンが見たかった!大谷翔平が先制弾で笑顔のベース一周 2018年のエンゼルス入団当初は投打二刀流を疑問視する現地メディアが噴出。日本で証明してきたはずのポテンシャルを疑う者は少なくなかった。とりわけ打撃面では過小評価をする声が目立った。米メディア『Sporting News』が当時に掲載したレポートでは、匿名のMLBスカウトが「バッターとしてのオオタニは普通の高校生レベルだ」と酷評したほどだった。 しかし、そこからの快進撃は凄まじかった。「普通の高校生レベル」と揶揄された打撃では、23年にアメリカン・リーグの本塁打王を獲得するなど通算200本塁打を記録。2度のシルバースラッガー賞も手にし、名実ともに米球界最強の強打者と言われるまでになった。 そんな大谷をエンゼルスの入団当時から知るレジェンドが、覚醒の舞台裏を明かした。大谷が球宴初本塁打を放った現地時間7月16日、MLB公式ネットワーク局『MLB Network』の番組に出演したアルバート・プーホルス氏だ。 現役時代にはエンゼルスで大谷と苦楽を共にしたプレーしたプーホルス氏。MLB通算703本塁打や10年連続で「打率3割・30本塁打・100打点」を達成した伝説の強打者は、今季に三冠王も目指せるハイスタッツを叩き出している理由について「ショウヘイは本当に打つべき球を探求し続けている」と断言。そのうえでメジャーでの新人時代を回想している。 「2018年のショウヘイは春季キャンプで、大きく足を上げるフォームを見せていたのはよく知られていると思う。でも、あの大きなレッグキックは、ボールに対して遅れて、走るようなものだったんだ。当時の彼はど真ん中のボールも転がして、打ち損じていた。でも、彼はそこから適切な改善を行ったんだ」 さらにプーホルス氏は、当時の春季キャンプ中に大谷に対して、「僕も高校時代には大きく足を上げるフォームをやってきた。だけど、大学に入ってからやめる決心をした」とアドバイスをしたことを告白。「信じられないかもしれないが、そこから約2週間で彼は今のようなつま先を立たせるフォームに変えていたんだ。彼は本当に賢いプレーヤーなんだ。新しい環境に来たらそこに馴染むようにできるんだ」と、偉才の適応力に脱帽した。 近代野球で「最高の打者の一人」とされるプーホルス氏をして「最高の選手といっても過言ではない」と言わしめる大谷。米球界を震撼させ続ける男の進化はこれからも続いていく。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]