半年でダイヤ再改正…「京葉線」騒動は収束せず JR、千葉市、習志野市の言い分は
今度は習志野市の怒りが…
沿線自治体とJR東日本千葉支社の京葉線のダイヤ改正をめぐる問題は、ひとまず一件落着のように思われた。ところが、事はそう単純ではなかった。9月のダイヤ改正が発表されると、それに千葉県習志野市が異を唱えたのだ。 習志野市は千葉市の西隣にある自治体で、京葉線内には新習志野駅がある。新習志野駅は通勤快速が廃止された3月のダイヤ改正前から各駅停車の列車だけしか停車しない。つまり、3月のダイヤ改正では、列車の停車本数が増えるという恩恵を受けた数少ない自治体でもある。 再改正で快速が増えると、新習志野駅に停車する列車は減る。それは列車の発着本数が減るだけではなく、通過待ちの時間が増えることを意味する。当然、新習志野駅の利便性は低下する。 そうした事情から習志野市は「JR東日本千葉支社における京葉線ダイヤの変更発表について」と題した報道リリースを発表。文書からは、習志野市の怒りが滲み出ている。 「京葉線は3月にダイヤを改正したばかりです。それにも関わらず、再び9月にダイヤを改正します。わずか半年では周知期間にもならず、利用者や沿線の住民は混乱するばかりです。単に快速列車が増えるだけなら問題はありませんが、快速が増える一方で各駅停車は減ります。そのため、新習志野駅に停車する電車は最大で1日12本も減るのです。これは容認できません」と憤るのは習志野市都市環境部都市政策課の担当者だ。 千葉市の担当者が口にしたように、3月に実施されたダイヤ改正の内容が約半年で見直されて新ダイヤに変更されることは異例だ。千葉市にとって約半年での再改正は得るものが多かったが、習志野市は振り回されたという徒労感が残った。 「ダイヤ改正は、市民生活に大きな影響が出る重要な問題です。自治体も無関心ではいられません。JR東日本にとって、ダイヤ改正はそんなに軽く扱うものなのでしょうか?」(習志野市都市環境部都市政策課担当者) まさに、あちらを立てればこちらが立たず。通勤快速の廃止に端を発した京葉線のダイヤ改正問題は、いまだ収束の気配が見えない。 小川裕夫/フリーランスライター デイリー新潮編集部
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