『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』練馬区立美術館で 23年に逝去した練馬区ゆかりの洋画家の画業を通覧
2024年10月6日(日)より、練馬区立美術館では『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』が開催される。練馬区内に長くアトリエを構え、名誉区民であった洋画家・野見山暁治(1920-2023)が、昨年の2023年6月に逝去したことを悼み、その業績を同館のコレクションを中心に振り返る展覧会だ。 【全ての画像】《崖》ほか広報用画像(全12枚) 福岡県の炭鉱経営者の家庭に育った野見山は、東京美術学校を繰り上げ卒業して旧満州に出征。終戦後、フランス留学中に安井賞を受賞し、その後、抽象的な表現を追求するようになった。母校の東京藝術大学で教鞭をとった彼は、自身の戦争体験から戦没画学生の慰霊美術館「無言館」の設立に尽力したことでも知られている。 2025年に建て替えを控えた練馬区立美術館では2階のみの展示となるが、東京美術学校時代からフランス留学にいたる前期(10月6日(日)~11月10日(日))、独自のイメージの世界を探求し続けた帰国後から晩年までの後期(11月12日(火)~12月25日(水))の2期に分けて、絶筆作品を含む油彩画や版画、関連資料等約80点を紹介する。 同展のサブタイトルにある「野っ原との契約」とは、「実のところ絵も風化しなくちゃいけない。それが野っ原との契約だ」(野見山暁治「アトリエ」、『署名のない風景』平凡社、1997年)という野見山本人の言葉に由来する。同展では、彼がそのただ中で絵を描くことを喜びとした野っ原のような場所=アトリエととらえて、野見山が練馬区と福岡県糸島市に構えた住居兼アトリエ(いずれも篠原一男設計)内部の映像や、そこに残された愛蔵品の数々も紹介する。 講演会、ワークショップ、手話通訳付きのギャラリートークほか、関連イベントも予定されている。それぞれのスケジュールや申し込み方法などの詳細は、美術館ホームページで確認を。 また現在YouTube「練馬区文化振興協会公式チャンネル」では、2022年、101歳の野見山が練馬のアトリエで自身のことや作品についてユーモアたっぷりに語る『「追悼 野見山暁治 野っ原との契約」 インタビュー映像“ラストテイク”』も公開中。野見山暁治の晩年の姿を知る、貴重な映像となっている。 <開催概要> 『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』 会期:2024年10月6日(日)~12月25日(水) ※会期中展示替えあり 会場:練馬区立美術館