英国新首相のファーストレディ、ビクトリアさんがいつも「赤いドレス」を着ている理由とは?
去る7月4日、イギリスで総選挙が行われた。結果は労働党が圧勝。14年ぶりの政権交代が実現した。 【写真・動画】真っ赤なドレスを着用する、新首相の妻のビクトリア 翌5日、キア・スターマー新首相と、「新ファーストレディ」となった妻のビクトリアさんが官邸入りした。この姿は日本でも大きく報道されたはずだ。 このときビクトリアさんが着ていたのは「真っ赤なドレス」。朱色がかった赤一色の鮮やかなものだが、背景を知らないと「なぜこんなに派手なドレスを?」と思ってしまうかもしれない。 しかし彼女がこの日「赤」を着たことには意味があるのだ。
イギリスには、政党ごとにイメージカラーがある
イギリスの政党は、各々異なるイメージカラーを設定している。今回惨敗を喫したスナク元首相率いる「保守党」は青、自民党は「オレンジ」、緑の党は…言う間でもなく「緑」。そして今回政権を奪還した労働党は「赤」だ。 1900年の党の創立時に赤い色の旗を党旗として以来、党同党のイメージカラーは124年間ずっと「赤」だ。赤はフランス革命以来、労働運動をはじめとする左派の色である。社会民主主義を謳う中道左派政党である労働党が、赤を「党の色」と定めたことには誰もが納得するだろう。 労働党関係者はよく公の場で赤い色を身に着けている。同じように、ビクトリアさんも長年政治の場で戦ってきた夫が首相に就任し、共に首相官邸入りする瞬間に「赤いドレス」を着たということなのだろう。
注目される場面で、赤を身に着けてきたビクトリア夫人
スターマー首相は、政治家に転身する前は法廷弁護士および検事を務めた人物だ。妻のビクトリアさんも元は事務弁護士であったが、現在はNHS(イギリス・国民健康サービス)の産業医療部門に勤務している。 ビクトリアさん自身も労働党の党員ではあるが、「政治家の妻」として表舞台にでてくることはあまりなかった。自身のキャリアを大切にし、また2人の子どもたちとの生活を優先するスタイルを貫いている。今後もその姿勢は変わらないとみられ、首相の海外渡航に同行する等「ファーストレディ」として稼働する機会はこれまでのファーストレディよりは少ないと予想される。 しかし時折公的な場で撮影されてきたビクトリアさんは、「赤」を身に着けることが多い。 夫へのサポートと本人の政治見解、両方の表れとして受け止められている。