首里城火災から5年、合同訓練で消火活動を確認 沖縄・那覇
首里城火災から5年となった31日早朝、那覇市の首里城公園で、公園を管理する沖縄美ら島財団など4団体が合同の火災防御訓練を実施した。未明に城内で火災が発生したと想定し、公園内の警備員でつくる自衛消防隊など102人が訓練に参加した。 【動画】首里城火災から5年 今だけの「見せる復興」着々と
訓練に参加したのは沖縄美ら島財団、国営沖縄記念公園事務所、那覇市消防局、沖縄県。防災力向上や火災発生時の関係機関の連携強化が目的。2019年10月31日未明に起きた首里城の火災では正殿などが全焼した。毎年同月の31日に合同訓練を実施している。 「ジリジリジリ」―。午前6時、正殿の再建作業が行われている素屋根2階の煙感知器が作動し、周囲に火災の発生を伝えるベルが鳴り響いた。警備室の職員が火災の現場を確認し、自衛消防隊に無線で連絡。連絡を受けた同隊員12人が駆けつけ、消火活動を開始した。 発生から約10分後に那覇市消防局の消防隊48人が到着し、消火用ホース4本を用いた放水を実施。水壁で延焼を防ぐために「水幕防御システム」を木材倉庫と奉神門の間に設置した。 今回は、城郭内に昨年設置した3つの連結送水管のうち、2つを使用した初の訓練。城郭の外に配置された消防車両から近くの送水管にホースをつなぎ、城郭内に水を送ることができるため、初動の時間短縮につながるという。
那覇市中央消防署の平良厚署長は「声も出ており、訓練がしっかりできている印象だった。昨年、一昨年の課題だった消防隊への情報伝達も的確にされていた」と講評した。
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