「仕事に全てを尽くすのはやめよう」 新月10ドラマで初の医師役に挑戦 する杉咲花が大切にしていること
「人を愛することはどういうことかを教えてくれる本を読んでいます」
――俳優業は充実を実感できるお仕事に見えるので、満たされる感じがとてもありそうですから。 そうなんです。そうなってくると、とっても不安にもなるんです。この生活がずっと続いていくわけでもないですし。大切なものを見失うかもしれない、という気持ちになりました。もちろん仕事はずっと続けていきたいので、そのためには自分の生活にも目を向けるようにしないといけないんですよね。自分の状態を健康に保つために、抜くことも大事だと思うようになりました。それで、今の生活のバランスを意識するようになったんです。なかなかうまくはできないですけど、意識はしています。 ――例えば、「1年間何もしなくていいです、仕事を入れません! どうぞ自由に過ごしてください」となった場合、どんな行動を取りたいですか? やっぱり一人旅、ですかね。去年、初めて一人旅をしたんです。会いたい人がいたこともあって、岩手県の盛岡に行きました。これまで撮影で地方に泊まるときは、いつも宿泊場所や食べるものを用意していただいた中で行動することが多かったんですが、今回は1回自分でいちから全部やってみようと、初めてやってみました。 去年、運転免許を取ったこともあり、行った先でレンタカーを借りて自分で運転して回ってみたんです。行動範囲が一気に広がった感覚がありましたし、これまで触れてきたことのないものに触れられて、「こんなに豊かに感じられるんだ」と感動しました。すごく充実して帰ってこられたので、旅の醍醐味を実感できた気がします。今までそこまで旅行したいと思うこともなかったんですけど、すごく楽しかったから長いお休みがあったらやっぱり旅行したいですね。次は、伊勢神宮に行きたいです! ――最後に、杉咲さんにとって指針となっているような作品や、今好きな本・映画はありますか? タイトルやエピソードをぜひ教えてください。 中村暁野さんの『家族カレンダー』が大好きです。実は暁野さんのご自宅にもお邪魔したことがありまして。元々、共通の友人がいて「紹介したい」と言ってくれたことと、暁野さんの旦那さま・中村俵太さんと間接的にお仕事でご一緒していたこともあって、お邪魔させていただきました。俵太さんが作られる空間が本当に素晴らしくて、本当に素敵なおうちで。 『家族カレンダー』は、暁野さんが毎日書かれていた5年間のブログが1冊の本にまとまったものなんです。家族という小さな社会を通して見えてくる気づき、人を愛するとはどういうことなんだろう、ということが日々つづられていて。その感覚や、筆致がすごく素敵で、自分も他者との関わりにおいてこういう感覚を大事にしたいなと思える要素がたくさんあります。とっても好きな1冊です。 衣装クレジット ジャケット 316,800円、シャツ 57,200円、パンツ 152,900円/以上ROSETTA GETTY(CORONET 電話番号 03-5216-6518)
赤山恭子